表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

ヒロインと霊を払うあれ

長い階段を上った先にある鳥居をくぐると古そうな木造住宅が2つありました。此処は神社なのでしょうか。僕の神社のイメージといえば……どうでもいいです。賽銭箱とか狛犬とかそういうのです

正面の建物のドアを叩いてみました。反応がないのでスライドしたら空いたので入ってみましょう

「量寿如来南無不可思議光法蔵菩薩因位時在世自在王仏所覩見諸仏浄土因国土人天之善悪建立無上殊勝願超発希有大弘誓五劫思惟之摂受重誓名声聞十方普放無量無辺光無碍無対光炎王清浄歓喜智慧光不断難思無称光超日月光照塵刹一切群生蒙光照本願名号正定業至心信楽願為因成等覚証大涅槃必至滅度願成就如来所以興出世唯説弥陀本願海五濁悪時群生海応信如来如実言能発一念喜愛心不断煩悩得涅槃凡聖逆謗斉廻入如衆水入海一味摂取心光常照護已能雖破無明闇貪愛瞋憎之雲霧常覆真実信心天譬如日光覆雲霧雲霧之下明無闇獲信見敬大慶喜即横超截五悪趣一切善悪凡夫人聞信如来弘誓願…」

…………………ばたん

出てしまいました。どうしよう、無理

右に三歩、左に三歩、空を見て、後ろ向いて、ダッシュ

階段を3段飛ばしで駆け降りる

あ、でもここから出ても行き場がないんだ

引き帰したて例の正面の木造住宅に向かっていくが、冷や汗と「そっちにいくな」という本能の警鐘がなりやまない。泣きそうになりながらドアから少し覗きます

「帰命無…」

パシッっときっちりドアを閉めました。あの人お客さんだよね。僕はあの人と一緒に暮らすのは嫌です。なんか怖い

僕は落ち着くために手洗場で水を飲んで深呼吸して病院へ引き返すことにしたのです。すると脳に衝撃が走りよろけてしまいます。

何をしようとしていたんでしたっけ?ま、まあ落ち着いてきたので左側の家のベルを鳴らします。僕がガタガタと音が鳴るのをきいているとドアが開きました

「こんにちは。どな……たですか?」

うわ!目大きい、小さいなあ人形みたい、コテンって首かしげてる

「あ、あの僕今日からここに住むようにって……」

「え、あなたが2人目の人なの?へ―ーー…………」

……観察されてる……のでしょうか?

「……私も能力

・・

持ってるんだ。君と同じだよ。これからよろしくね」

満点の作り笑顔に、猫なで声に、ドキドキさせる仕草に、僕の手をにぎる小さくて柔らかい手に、僕の心は嬉しさと恥ずかしさで苦しくなります。一方で僕の脳は、その完璧な表情と動作が僕を評価するための打算と判断した。彼女の目がこいつはダメだと評価する気がして不安になります。きっと僕の顔は、真っ赤に緊張して挙動不審に地面をにらんでいるに違いありません

「あ、おじゃまします」

「……おじゃまします…ね。いらっしゃい、我が家へ」

我が家……

「君何も持ってないよね。荷物は後で送ってくるの?」

「いえ、僕は病院から直接連れてこられたんですよ」

「ふーん。だったら、後から親が送ってくるかもしれないね」

「…………………」

いや、多分送って来ないでしょう。2人とも忙しい。それに……

「…………………」

「……たとえ送ってきても、受け取る必要はないでしょう。そもそも僕の物あんまり無いです」

「えー、つまり……その服ずっと着続けるつもりなの?」

それは嫌ですね

「どうしましょう」

「まあ、とにかく案内するからついてきて」

意外と広い家を要領良く案内してくれた。トイレと台所、居間の場所だけは絶対忘れないよう記憶した。最後に僕が寝る部屋に案内される

「これで使う部屋は大体案内したわ。案内してないのは客室とか神社用の部屋だけだから良いよね」

「はい。ありがとうございます」

軽く頭を下げる

「君、なんていうか暗いっていうか、おとなしいよね」

解かってるよ!!どうやって直すか知りませんけどね

「仮にも共同生活するんだからなんとかして欲しいかな。まあ、がんばれ」

「……努力します」

精一杯の作り笑いを作ったら、モット自然に!スマイルスマイル~と言いながら、肩をぱたんぱたんと叩きふすまをぱたんと閉めました

うーん、僕には自然に笑うとか無理です。さっきの作り笑いでほほ肉が大変なことになっていますから


ベッドと机しかない部屋に部屋に案内されたとて何ができましょう

答えは何もすることがないで、そんな部屋にこもっているといろんなことを考えてしまうのですよ。友達のこと、将来のこと、家族のこと、道端の野良猫のこと、一通り思い出して30分。畳にベッドってありなのかなとか思いながら本当の退屈が訪れて畳にパタンと倒れこみます。僕の思い出は30分か、とかつぶやいて悲しくなって考えるのを止めたのです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ