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おうちが幸せになったなら

作者: 奏 湊

あるところにいつも違う人が出てくるおうちがありました。


出てくる人はいつも違う人ですが、そのおうちが現れるのもいつも違ったところです。

ただおうちは、一度現れると一年から三年はそこにたたずんでいます。


あるときおうちに気付いた村人がおうちの中に入っていきました。

だけど村人は、そのおうちから出てくることはありませんでいた。


それを見ていた村人達は口々に噂します。

あれは神隠しの家だと。


おうちは悲しくなりました。

おうちは人に住んでほしくて、たたずんでいるのに

ちっとも人はよってきてくれれません。


それもそのはずそのおうちは本当に神隠しの家だったのす。

ただおうちがというよりも入る入り口の扉が違う世界と繋がっているだけのもの


だからおうちの中に足を踏み入れたものはなく

おうちはいつだって願っていました。

誰かが住んでくれること

誰かが中に入ってくれること

をただただ願っていました。


あるとき、おうちに向かって街のいたずらっ子たちがやってきました。

いたずらっ子達は、くたびれてしまった家をみておびえながらも中を探索することに決めました。


その話を聞きながら、おうちは思いました。

今度こそ・・・・と


いたずらっ子達は、他の人たちと違ってドアからおうちに入ろうとはしませんでした。

だって、誰かがいたら怒られてしまいます。

だからぐるっとおうちをまわって、窓を探しました。

そして台を見つけてきたり、肩車をしたり、みんな思い思いに窓に飛び掛りました。


するとどうでしょう・・・。

いたずらっ子達は、無事に中まで入ってしまいました。


おうちはあまりの幸せにむせび泣いてしまいました。


いたずらっ子達は、むせび泣いているおうちにびっくりして

ぎゃーーーと言いながら逃げていってしまいました。


そしておうちは、誕生してから500年。

念願をかなえて朽ちていきました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 短いお話ですが、ラストの一文に胸を打たれました。
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