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Mystic Lady ~復活編~  作者: DIVER_RYU
第二章『キャプテン琉のカレッタ号案内』
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『キャプテン琉のカレッタ号案内』 その1

棺の中より目覚めたロッサ。彼女は自分の名前以外は何も覚えていなかった。彼女を発掘した琉は、彼女の記憶を戻すべく旅を決意し、カレッタ号の案内をする事に……。

  何も覚えていない上に“今”という時代を知らないロッサにとって、この日は驚きと発見の連続だった。


「ここを君の部屋にしよう。まぁ、中に入ってくれ」


 琉に案内され、ロッサは一つの部屋に入ってゆく。そこには様々なモノが置かれていた。


「これは押し入れ。ちょっと開けるぞ」


 彼は部屋の中にある大きな戸を開けた。中にはふかふかした布が入っている。


「こいつは“ふとん”だ。俺個人の考えでは、人類の生み出した至高の宝……と言ったところか。寝る時はこいつを敷いて寝ると良い。棺桶よりずっと寝心地が良いはずだぜ」


 琉が一つずつ名前を言っては手本を見せる。彼がいうには、この部屋はずいぶんと長い間使っていなかったらしい。


「この奥が洗面所。顔を洗ったり歯ぁ磨くのに使ってくれ。……って、鏡がそんなに珍しいのか?」


 ロッサはしきりに鏡を覗きこんでいる。


「すごーい! 琉とわたしのそっくりな人がこっちみてるー!」


「ははは……。ロッサ、この部屋には俺と君しかいないぜ。そこに映ってるのは俺と君自身だ。こうして、だな」


 琉は、鏡の前で自分の髪を触って見せた。すると、鏡に入っている琉も自分の髪を触った。


「要するに自分で自分を見るためのモノさ。……そうか、君の時代には鏡ってモノがなかったのか」


 琉の案内は続く。


「更に奥にあるのはシャワー室だ。こっちは水浴びしたい時に使ってくれよ……って、こらこら! そこひねっちゃダメ……」


 じゃーっ!! 勢い良く飛び出てきた水がロッサと琉に降りかかった。琉はすぐさま蛇口をひねり、水を止めるとこう言った。


「…ロッサ、水浴びは服を脱いでから、それも男の見てない時にやるモノだぜ。ちょっと待ってろ、バスタオルと着替えを持って来る」


 琉は部屋から出ると、大きな布を何枚かと何か服を持ってきた。ロッサは彼から一枚もらうと、それで髪と顔を拭いた。そして、彼の持ってきた上着を羽織った。


「使ったタオルはここに掛けといてくれ。あと、こいつはタンスだ。とりあえず乾いたバスタオルはここに入れてくれ。ついでだしこの使ってない奴を入れておくぞ。……あとまぁ、新しく服を買った時もここに入れてくれ」


 これで一通り、琉によるロッサの部屋の説明が終わった。


「何かあったら、すぐ隣のこっちの部屋に来てくれ。ただし、入る前にはこれを押すように、な」


 琉はドアに付いたスイッチを押して見せた。


 ピンポーン


 スイッチを押すと音が鳴った。琉は更に続けた。


「これでこの四角いのに顔が映って、開けて良いと言ったら入ってくるんだ。逆に部屋の中でこれが鳴ったらちゃんと返事してくれよ。そうだ、ちょっと待ってなさい」


 そう言うと琉は自分の部屋に入って行った。


「このスイッチを、押すと……」


 ロッサは扉のスイッチに指を伸ばした。さっき琉がやったのと、同じように。


 ピンポーン


 すると扉にある画面に琉の顔が映り、こう言った。


「一つ言い忘れた。用事のない時には押さないでくれよな」


 直後、琉が扉を開けて出てきた。


「とりあえず、これを羽織っておきなさい。あとこいつを腰に巻いとくと良い。他に女性でも使えそうなモノがないんだよな……」


 琉は手に持ってきた白いケープをロッサの肩にかけ、更にこれまた白いサッシュを手渡した。


「こんな風に、な」


 琉は自分の腰に巻いたサッシュを見せた。ロッサは見よう見まねでサッシュを自分の腰に巻き、結んだ。


「こう?」


「そう。そんな感じ。……意外と出来るモンだねぇ……」


 琉は感心した。恐らく彼女はサッシュなんぞ見たことないか、見たことがあるにしても久しぶりだろう。


「おっと、こんな時間か。飯にしよう、こっちだ」


「え? お腹いっぱいだけど……」


「? いつの間に、つか何を食べたんだ?」


やっと第二章に突入です。ここから先は未発表の内容となります。

今回は主に世界観の説明が主な内容になります。


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