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Mystic Lady ~復活編~  作者: DIVER_RYU
第九章『琉は見た! メンシェ恐怖の秘密』
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『琉は見た! メンシェ恐怖の秘密』 その2

第三の目を入手してほっとしたのも束の間、教会の神父に先回りされてしまっていた琉とロッサ。そして神父はヴァリアブールを狙う理由を話し終えると、謎の力を発揮し始め……!?

 光が収まり、そっと開けた二人の目に飛び込んできたモノ。それは……


「な、ななな、何かでっかいの来たー!? って、メ、メメメンシェって、人類至上主義じゃなかったのか!?」


 身長15mはあろうかという巨体。その額にはY字状の角が生え、炎が揺らめいていた。胸にはあの石板がはまっており、全身は鎧を思わせる殻に覆われている。その手に持つ巨大な馬上槍からはこれでもかとばかりに稲妻が迸っており、ロッサの顔が引きつるほどであった。


『これが神の力だ! 私自ら、お前たちに裁きを下してやろう!!』


「シャベッター!?」


 二人は思わず同時に声を上げた。一方怪物と化した神父は手に持った槍を掲げると、その先端から強烈な電撃が放たれる。二人めがけて襲いかかる電撃。


「うわッ!? いかんロッサ、とにかくかわせ! あとアイツをカレッタから引き離すんだ、このままじゃ船ごと電撃でブチぬかれる!!」


 琉を抱えたまま、稲妻をかわして飛び回るロッサ。カレッタからなるべく離れ、海から陸へと相手を誘導した。神父は槍を掲げたまま、足音を響かせて二人に近づいてくる。琉はパルトネールを取り出してアードラーを呼ぶと、更に携帯電話を取り出してジャックに言った。


「音声データ送るからシールドを展開してくれ! ボタンに名前書いてあるからすぐに分かるはずだ……ぬわッ!?」


 怪物の槍でなぎ払われ、琉とロッサは吹き飛ばされた。辛うじて空中で体制を取りなおしたロッサに対し、琉は真っ逆さまに海へと落ちて行った。


「琉ーーッ! はッ!?」


 琉を助けようと急降下したロッサ。しかしそこを、怪物の角から放たれる灼熱の炎が彼女を襲う。旋回して炎をかわすロッサだったが、そこに追い打ちで放たれた電撃が彼女の片翼の先端をかすった。翼をやられ、海に落ちてゆくロッサ。しかし彼女が海に没する寸前、青い影が空中で彼女に飛びつき、抱きかかえたのである。


「大丈夫か? ロッサ」


 それは紛れもなく琉だった。ロッサを抱えたまま、アードラーに乗って海面を駆ける琉。しかし相手の攻撃は止む気配がない。今度は手に持った槍を下に向けて、琉達目がけて突き刺してきたのだ。


『メンシェの神の力を得た我々にとって、お前たちを屠るのは赤子の手をひねるも同然! いくら逃げ回っても無駄だ!!』


 怪物と化した神父の声が響き渡る。琉とロッサは神父を誘導してついに陸までたどり着いた。だが、その直後である。


『ならばその身、地面ごと引き裂いてくれる!!』


 神父はそう叫んだ後、槍を天高く掲げて稲妻を纏わせると、そのまま勢いよく足もとの海面に突き刺した。すると海面を激しい光が走り、琉達目がけて突進してきたのである。危うくかわす琉とロッサ。たが、電撃は海面に置いてあったアードラーに直撃した。


「しまった!? アードラーがッ!!」


 翼を電撃で裂かれ、火花を噴き上げるアードラーの姿がそこにあった。しかし今の琉に、サポートメカのを嘆く余裕はない。相手はこちらに槍の先端を向けると、容赦なく電撃を放ってきた。地面を転がり逃れる琉と空に飛び上がりかわすロッサ。ロッサは翼を再生し、そこから更に高く飛び上がる。相手を空から見下ろすと、額が割れて第三の目が出現した。たちまち赤い光が相手に向かって発射される。


「やったか!?」


 琉は顔の前に手をかざして相手を見た。相手は盾のようなその手で顔を覆い、その場にうずくまっている。そこに容赦なく光を浴びせるロッサ。しかし、その光が徐々に衰えていく。遂にロッサの体勢が崩れ、ふらつき始めた。光が止んだ一瞬の隙を突き、相手はその角から火炎を吹き出した。


「きゃあっ!? 熱い、熱いよぉっ!!」


 またも翼をやられ、ロッサは地面に落下した。落ちてゆく彼女に容赦なく、炎は浴びせられてゆく。


「ロッサァーーーーッ!!」


 琉は上着を脱ぎ捨てると夢中になって炎の中に飛び込み、ロッサを抱えて着地するとそのまま海の中に体を浸した。琉はロッサの様子を見た。焼けた部分がはがれ、所々赤い液体が垂れている。特に翼や指、髪といった部分の先端はひどいダメージを負っており、急速に液体が吹き出てはやられた部分を修復していた。以前よりも回復スピードが速くなっているようだが、目の使い過ぎで彼女はほとんど動けなくなっていた。


「ちっ、やられてばっかりいられるかよ! パルトネール・チェイン!!」


 パルトネールをチェインモードに切り替え、琉が相手の足目がけて鎖を放つ。


「パルトショック!!」


 鎖が足に巻き付くのを確認すると、琉は鎖に高圧の電流を流した。しかし相手は動じる様子がない。手に持った槍を振りかざすと、鎖にまっすぐ下ろして断ち切ってしまった。


「パルトショックが効かない!? こいつ、電気には強いのか!?」


 防戦一方。今までになく苦戦を強いられる琉。相手は再び槍を掲げると、先端から電撃が迸り始めた。それを見た琉はロッサを上着で包み、抱えて逃げ出そうとした。

 だが放たれようとした直前、槍に一筋の光が刺さったかと思うと、途端に大きな音を立てて崩れだしたのである!


「今のはまさか……!?」


まさかの展開になりました。神父怪物化&サポートメカ破壊という謎のシリアス展開。一体どうなるのでしょうか?

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