旅立ち
「ねえ、由香。もし行く宛がないなら私と旅に出ない?」
「?」
私は由香に今までの出来事を話した。由香はゆっくりと頷きながら話を聞いてくれた。話終わると、由香はこう言った。
「今まで大変だったんだね。私でよかったら協力するよ!」
任せろと言わんばかりに胸を張り由香は言った。まだ会って間もないが、情に熱い性格だということはわかった。
「でも、着いていくのはいいけど、どこに行くの?」
私は今、深刻な問題を抱えていた。その問題が、旅の目的地である。満美から言われた「青い花の咲く丘」がなんなのか、どこにあるのかが全くわからない。まずは情報集めをしないことには始まらない。
「うーんっと、じゃあ、まずは情報集めからはじめよっか。」
「わかった。青い花の丘だったよね。」
私たちは情報集めを開始した。
一方、千得たちとは違う病院で、千得の父親は目を覚ました。
「ここは…」
「目覚めた様ですね。」
目の前には医者と思われる男がいた。俺は挨拶をしようとベットから起きあがろうとした。が、手をつこうとした瞬間に、右に倒れてしまった。
「!?」
寝ぼけていたこともあって、気付くのが遅れた。爆発の影響で焼き爛れた右手は治すことができなかったのだろう。俺の肘から先の右手は無くなっていた。
次回「母は強し」




