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あの花の丘で  作者: イチゴボール
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花園由香

満美の死亡から丸一日たった。心の整理はまだ完璧ではないが、泣いてばかりではいられない。

「満美と約束したんだ。」

落ち着いて考え分かったことは二つ。一つ目は、天国(?)で聞いた呪いの話。多分私に親しい人が無意識に呪ったんだと思う。満美もその一人だろう。二つ目は、多分お母さんからも呪いを受けている。具体的にこれ!って言うわけではないが、確かに感じる。でも、お母さんの願いって、何だろう…

「考えても仕方ない!まずは満美の願いを叶える!」

行き当たりばったりだが、私は満美の願いを叶えるため、旅に出る決意をした。


「君、どこに行くつもりだい?」

一時的に用意された簡易的な病院。そこから抜け出そうとしたが、すぐに医師に捕まった。人手が足りないはずなのに…この医師は本当に医師か?働いてるとこあまりみないけど。

「いえ、ちょっと散歩に…」

「まぁ、気分転換は良いが、広島には近づいてはいけないよ。」

「?」

「あの爆発の影響で、謎の物質が空気中を漂っているらしい。人体にどんな影響が出るかわからないから、近づかない方がいい。」

「分かりました。ありがとうございます。」

私は深く頭を下げ病院を後にした。


ここは、広島からだいぶ離れた場所だろう。確か…やまぐち?とか言っていたな…。

「それにしても、あの爆発は何だったんだろう…」

爆発の跡が山口県まで来ていた。私が今歩いている歩道は、形は残っているものの、爆発の影響で禿げている場所が見受けられる。

そんなこんなでしばらく歩いていると…

「良い加減にしろ!こっちも暇じゃないんだ!」

「もう良い!分かったよ!」

兵士と…女性だろうか。あそこは確か、元々兵士の宿だったが、診療所として開いてるとか言ってたな。

女性は一言言い残し去っていった。

「何かあったんですか?」

私は好奇心を抑えられず聞きに行ってしまった。

「まぁ、大したことじゃないんだけど…」

この兵士が言うには、彼女の名前は花園由香、少佐の娘らしい。なぜ彼女がここにいたかと言うと、軍隊ではたらかせて欲しいと言っているそうだ。兵士の話を聞いていると、ふと目に入った。

「この布、あなたのですか?」

千得は地面に落ちた布を拾い上げた。

「俺のじゃないな…あ、由香のだ。君、もし良かったら届けてくれないかい。」

「分かりました!」

私は兵士にお辞儀をして由香の歩いていった方へ向かった。

次回「もしも私が男なら」

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