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あの花の丘で  作者: イチゴボール
12/22

親友

少しづつ鼻が赤くなっていく。一雫の涙が頬を伝った。

しばらくの間、私は泣き続けた。そして、涙が出なくなるまで泣いた時、私はふと思った。

(家族のいない世界に何が残されているの?)

私の中に負の感情が溢れ始めていた。いっそ飛び降りて…自害も考えたが、この辺りに高い建物はない。そんなことを考えていた私の元に、医師がやっま来た。

「き、君に会いたい人がいるそうだ。ついてきたまえ」

走ってきたのか、息は荒れていた。誰だろう…


私は医師に案内され病室についた。病室の入り口を抜け中に入った。

「え…」

そこで私が目にしたのは、体は細く、まるで正気を吸い取られたかのような衰弱した姿の満美だった。

「その声は…千得ちゃんかな…」

満美の声は前のような明るさは無かったが、間違いなく満美の声だった。

「満美!」

私は満美に近づき手を握った。細くしわしわになった満美手…

「満美…満美…」

何度も名前を呼んだ。が、握った手は、握り返すことはなかった。

「千得ちゃん、泣かないで。」

「泣いてないよ。」

「ねぇ、千得ちゃん、お願いを一つ、いいかな…」

「!!」

「うん!いいよ!何でも言って!」

「もう一度だけ、私の見た、あの花畑が見たい。」

「花畑?」

「私の故郷にある…青い花が一面に広がる花畑…。」

「うん、分かった。」

「ありがとう。でも、ごめんね。もう、私は長くない。だから、お墓に植えてくれると、嬉しいな…」

「そんなこと言わないでよ。」

「千得ちゃん、よく聞いて。今は辛いことがたくさんあると思うけど、千得ちゃんにはずっと笑顔でいて欲しい。」

「うん…分かった…。」

満美はそう言うと顔に微笑みを浮かべた。

「満美!」

これが満美と話した最後だった。


ありがとう

友への感謝

いつまでも

次回「花園由香」

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