呪い
「ここは…」
「ここは一応天国だよ。」
「は?」
目が覚めると、目の前に白いローブを着た男が立っていた。その男が突然発した天国発言。千得の脳内は処理が追いついていなかった。
「天国…」
「そう。天国。言いにくいけど、君はもう死んじゃったんだ。だから天国に飛ばされたってわけ。」
「はあ。これから私はどうなるんですか?」
「本来なら天国に飛ばさないといけないんだけど、君は今、呪われてるから飛ばせないんだ。」
「呪い?」
「うん。だから私たちで話し合った結果、君を前世に戻すことにした。僕はそれを伝えにきただけ。」
どんどん目の前の男が透明になっていく…
「待って、呪いってどうやって解くの!?」
「君を呪ったのは3人だ。その人たちの願いを叶えてあげるといい。」
「3人…。うわ!」
物凄い力で後ろに引っ張られていく。
「な、何これ!…」
「……!」
ゆっくりと目をあけた。すると、前から声が聞こえてきた。
「先生!この子目覚めました!」
「?ここは…」
「と言うのが今の状態だ。」
目の前の医者から大体の説明は受けた。
曰く、私は未知の爆発に会い、生死を彷徨ったと。だが、あの白いローブの男の話がわからない。私は自分の体を見た。気づけば、私の髪は白く染まっていた。これも爆発の影響か…
「…君がよかったら、お母さんに会いにいくかい?」
「…はい…」
何となく分かってはいた。分かっていたが、受け入れたくなかった。この現実を。
「え、ここは…」
布に包まれた何かが、複数個均等の間隔で置かれている。すぐに分かった。それが死体なのだと。部屋は薄暗く、肉の焼けた匂いが充満していた。が、私はその匂いに気づけなかった。
「この中に、お母さんはいるかい?」
医師は一人ずつ顔を出して行った。4、5人目ぐらいだろうか。忘れるわけがなない。最愛の家族。母さんがいた。
「お母さん…」
お母さん
答える声は
もう無くて
次回「親友」
最近テレビを見て気づいたのですが、「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」という映画の再放送を見ました。それを踏まえて言わせてもらいたい。パクリでは断じてない!




