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事情聴取

続編です。楽しんで頂けると嬉しいです。

俺たちは、中央ギルドに移動し、情報を交換する形になった。アインと憲兵がいるのは分かる……が、

「……何でセシアが居るんだ?」俺が問うと、

「セシアさんは受付嬢兼副ギルド長だからね」

アインが答えた。……ギルド長では無いのな。

「それよりも」アインは、机を強く叩きながら言う。「イーヴル君の会ったやつは、どんな感じだったの!?」

それに俺も答える。

「……落ち着け、年齢は…黒いマントと仮面をつけていて分からなかった、顔も同様……身長は、俺より少し高い。あと、あの龍に似たオーラを出していたな。五人とも同じだ……」

アインが言う。

「……五人!?」……あれ?言ってなかったけ?

「いや、敵の数よりも全員見た目が同じって言うのが気になるんだけど」アインは冷静になり言う。

「分身、か」俺は小さく呟いた。

「「「分身?」」」首を傾げる3人に……口を開く。

「あの能力の心配な点に繋がるが……」たちまちしんとした空気になった。俺が心配という言葉を発したのが余程危険を感じたのだろう。

「心配な点に繋がるのは?」……繰り返すアインを見て口ごもる。……良く考えれば、このことを話せば恐ろしいものだと認定されてしまうのでは……そんな事を考えてしまった。

「…………」俺は落ち着き、口を開く。

「あの能力は能力の持ち主を殺すことで奪うことが出来る」

「「「な!?!?!?」」」俺の言葉に三人とも驚きの声を上げる。

「だから……分身体で持ち主を殺し、力を集めているのだろう」俺がそう言えば、予想通りの結果だ。

「な!?じゃあ、君は!」憲兵が勢いよく立ち上がる。俺はゆっくりと目を瞑った。

「ま、待ってください!彼は何もしていません!」

アインは俺を庇う。 セシアも

「そうですよ!彼は依頼をこなし、て……」

「いら、い?」……あぁ、気付いてしまった。

俺が……あの能力についての依頼を『自ら受けようとしていた』事を。

アインとセシアは俺を見て口ごもる。

「その反応!思い当たる節があるんだろう!?」

怒声は響き続ける。

「イーヴル君!?違うだろう!?否定してくれよ!」

アインは、俺に叫ぶ……俺の事をここまで気にしてくれるとはな。俺は少し考えて口を開く。

「否定……になるかは知らないが、俺はああ言う明らかに悪事を働くヤツらに能力を渡さない為にもこの能力を集めていた」俺のその言葉に憲兵の男は

「口ではなんとでも言えるだろう!?」そう叫ぶ。

「俺と言う存在に焦るのは分かるが、頼むから少し落ち着いてくれ」あまり逆上させないように優しく言う。

「……確かにそうかもな」意外と理解が早い、というよりそもそも剣を抜いていなかったし、戦闘するつもりはなかったのだろうが。

「能力を得た人間は傲慢になり、強い闘争心が湧く」

俺は徐に口を開く。

「……かなり危険だ、そしてそれはソイツを殺さない限り止まらない」

「まぁ、そうだよね」アインは言う。

「龍族っていうのは実際温厚な種族で基本戦闘……というより殺害を好まない。それなのに冒険者グループが一人を除いて全滅した」

……そりゃそうだろう。邪龍というのは言わば中ボス、魔王の前座だ。魔王という存在は奴隷制度や差別で均衡が取れなくなった世界を救うため、邪神が投下する。その前座ともなれば存在理由も似たようなものだ。そして世界を護るためにいるのに生物を殺しては意味が無い。

「じゃ、じゃあなんで君は危害を加えないんだ?」

憲兵は尋ねる。

「能力が体に完全に適用でもしたんじゃないか?」

かなり適当に答える。実際、これは俺にも分からないと言っていた方が都合がいい。

「それより……さ」アインはその言葉を吐き出す。

「なんでイーヴル君はそんなに……その能力に詳しいの?」

彼は望んでその言葉を発した筈なのに何処か返答を聞きたくないと言わんばかりの様子だった。

……納得のいく言い訳は何なのだろうか。俺は少し考えて、「これでも子供の頃からずっとこの能力を持っていたからな」そう返す。

「この能力の問題が出てきたのはここ一週間も経ってないくらいなんだよ」アインが言う。

「疑問に思うことも多いと思うが、俺もなかなか分からないことも多いんだ……悪いな」謝罪の言葉を口にすると、「別に謝ることでは無いですよ」セシアが言う。「どっちにしろ、イーヴルさんは何もしないでしょうし」アインも頷く……どうやってこんな見ず知らずの人間…を信じれるのだろう。

「この書類は、立場の高いギルドに発送しておきます。」セシアはいくつかの紙を机にトントン叩いて、書類をまとめた。

しばし無言が続き、少し気まずい空気になる。

アインとめを交差し微笑んでいるのが見えた。

妙に安心する。そこで、質問をした。

「アインは黒いマントの集団を見た事……」

その瞬間、ゾッとした。何か異様な力がそのにあるような、背筋が凍るようだ。

……あの時の、アイツ!?「イーヴル君?」俺に問うアインの言葉も耳に入らず、数秒後。

外から途轍も無い爆発音が耳に入った。

ご視聴ありがとうございました。

今後の投稿もよろしくお願いします。

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