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現代邪神vs先代邪神

続編です。楽しんで頂けると幸いです。

それなら邪神の力も使えるだろう。

なぜなら……アイツは先代の邪神なのだから。

「しぶといな、お前は。」俺は言う。

「何がだ?」ヤツは眉をひそめた。

「太陽神に力を剥奪され、人間界に落とされても、這い上がって来るんだからな。

……恐らく力も50%程度までしか吸収出来ないんだろう。だから、わざわざ大量の魔物で押し寄せてきた……違うか?」……分かっていながら問いかける。

「黙れ!!!!! クソガキが!!!!!」視界から消える。

「…ッチ!」小さく舌打ちをして、地面を強く踏みつける。割れた地面でバランスを崩したヤツを怒りに任せて思い切りぶん殴った。

ヤツは、吹き飛ぶ。その隙にアインを避難させた。アインを見て、苛立ちがさらに膨れ上がる。「アイツなんかに……負けんなよ」

そうポツリと呟いた。すると、

「……ごめんね」そんな声が聞こえた。

"また"謝った。確かにアインは、あいつじゃない。だが、太陽神と……似すぎなんだよ。

性格も信念も…そしてその無理した笑い方も。そう思いながら。

その言葉を紡ぐ。「後は……任せろ」

俺はソイツと対峙する。そして、ソイツは手に黒い光を集め1本のナイフを顕現して見せた。

……ウザイな、アイツと使う武器が同じだなんて。

俺も同じように黒い光を手に集め……

ヤツを空の彼方へ蹴り上げる。そして、

その黒い光をヤツに向けてゆっくりと離す。

瞬く間に空一帯を埋め尽くす程の閃光が迸った。

…………たが、気付けば、ヤツのナイフは、俺の腹部に突き刺さっていた。

「ぐっ……!あぁぁぁ!!!!!」激痛が走る。

……耐えろ…!耐えろ…!

そんなことを考えている間にヤツの蹴りが飛んでくる。

……防げる。俺は腕を前に防御姿勢を取った。

……あぁ、防いだ、防いだよ。だが、

「ボギィ……!」と、

いつぞやのように俺の腕は高鳴った。

「っっっ……!」最早、声も出ない。

ここで負けては、いけない。そんなの分かりきっている。だが、ヤツに付いて行けない。

たった数%の力の違い……侮っていた。

……まぁ、案外当たり前かもな。

数%の邪神の力は、

『弱者を強者にし、強者を無敵にする。』

この差は、必然か……

そんな事を考えていると、ヤツは、光のような速度で眼前にまで来ていた。

「っつ……!」焦って反応する。そんな隙を逃す訳もなく、その拳は、俺の顔面に叩き込まれ、大きく後ろに吹っ飛び建物に突っ込む。

……意識が朦朧とする。どうすればいい……?

考えろ、考えろ、考えろ……!!


……違和感……何かが引っ掛かる。

アテネの加護はなんだったんだ?

アイン……アインに会った時、俺は、アインを知っていた。何故だ?…太陽神が作ったから。

いや、違うな。だって俺は、太陽神が作るところを見ていただけで、アイン自体を見た訳じゃない。

……じゃあ、コレはなんだ。この違和感…

『太陽神の記憶』?

……ゆっくりと起き上がる。そこには、

セシアがアインを回復していた。心配そうに俺を見ている。

「……だ…い、丈夫だ」

ヤツが歩いてくる……どうすれば……?

そしてその瞬間、俺は叫んだ。

「アイン……頼みがある……!」


歩み寄るヤツを俺は全力で蹴る。

だが、当たり前のように防がれる。それでも、力を入れてヤツを蹴り飛ばす。

……少しでも時間を稼げば…「…セシア!」俺は声を上げる。腹部の傷がある程度治った。

……腕を集中して治してくれたのか。ありがたい、よく信じたな。今の俺は、アイツからして間違いなく化け物だと言うのに。

黒い光を手に集め、ナイフを顕現させる。

脚に"グッ"と力を込める。怒気が抑えられない。ゆっくりと瞳を閉じた。次、開眼する時には俺の眼は紅く染まっていた。

「……またお前は、そんな目をするんだな」

そんな言葉を投げかけてくる。

「昔の話をしないでもらえるか?不愉快だ」

そう言って、敢えて俺は砂煙をたてるよう、力強く地を蹴り、ナイフを上空へと放った。

一瞬で眼前にまで近づき、その拳を放…………たず、右脚に全体重をのせ、屈み込む。

そのまま、頭を下げ、左脚で大きく弧を描く。

そんな、回し蹴りをヤツに叩き込んでやった。

「ッチ……!このクソガキが……!」ヤツは、そう言って拳を振り上げる。飛び跳ねそれを避けようとする。……っ!反応出来んのかよ!?

「ぐぁっ……!」俺は、空中で腹部を殴られる。大きく後ろに吹っ飛んだ。

そして、黒く光ったナイフがヤツに降ってくる。すぐに体制を立て直し、ヤツに近づく。

「……面倒臭ぇな!!」苛立った声……

辺りが黒く染まる。……嘘だろ……?

まさか、たった50%程度の力で"アレ"ができるのか?

一瞬、光が見えた。そして、大量の刃物が生成される。そう、ヤツがやろうとしているのは…

物質の同時顕現……!その瞬間、一斉に俺に向けて、刃物が飛ぶ。「ッチ……!」小さく舌打ちをする。……集中だ!集中しろ……!

全て避けることは、出来ず、度々どこかをかする。……止まった。危なかったな。そんな事を考えていると。

「その程度か?善良な邪神さんよ」そんな言葉と同時に、拳が放たれる。俺は、その攻撃に合わせて拳を放つ。その拳が交わった時、俺は見慣れたギルドまで飛ばされていた。

️「っつ……!」痛い……痛い、痛い… 。

肩に棒状の瓦礫が刺さっている。

……あぁ、この世界に来てから、こんなのばっかだな。

「平和ボケか?」そんな声が聞こえる。

「……そうかもな」やる気の無い返事をする。

「コイツが息子かなんて……憂鬱だな」

「はっ……!知るかよ!」俺は叫ぶ。

「あぁ、ものすごく、非常に不愉快だ」そう言って、ナイフを振りかぶる。


そして……そして、


金属がぶつかる音がする。

「お願い……聞いてあげたよ」目の前に立つ男はそう言うのだった……

ご視聴ありがとうございました。

今後の投稿もよろしくお願いします。

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