邪神の善行
初めての投稿で慣れていないですが、楽しんで頂けると幸いです。
「はぁ〜……」
大きなため息をつく
「またか……何度目だよ…」
そう呟きながら俺は、いつものようにその世界を指さし『魔王』を生成する。……一般人から見ると俺が何をしているのかなんてさっぱりだろう。俺は今、差別や奴隷制度など世界としての均衡が保てなくなった世界に『魔王』や『邪龍』
……とどのつまり共通の敵を作って世界を元に戻そうとしている。何故そんなことが出来るのか…それは、一言で片付く。俺が『邪神』だからだ。そうすると…もう1つ疑問があるだろう。何故、邪神であり世界の均衡を保とうとしているのかだ。それは単純明快、それが俺の使命だからだ。生まれた時からそれをしないといけないことは、何故か分かっていた。
「地獄の頂点で在りながら使命なんぞに従ってられるか」先代の邪神はそんなやつで、天界の頂点である『太陽神』とすこぶる仲が悪かったようだ。太陽神は誰よりも平和を望み、善人を好み、悪を制する存在…
そして俺は今、そんな太陽神のいる天界へと歩を進めているのだった。
「……ッチ、長ぇな」
思わず舌打ちをしてしまう。地獄から天界……
天と地の差っていうのは、こういうもんなんだと関係ないことを考える。
……ようやく着いた。天界は、魔法や能力が禁止らしく転移魔法が使えない……「ウザったいな」…そう呟いた。そして、途轍もなくデカイ門を潜り、ある部屋まで向かった。
"コンコン" 一応ノックしておく、女だしな…
ドアが開く…そして彼女は、ため息をついて、
「また、貴方ですか」そう言うのだった……
そう、この目の前にいるのが他でもない太陽神だ。容姿は……人間で言う美少女……と言うやつなのだろう。身長が少し低く、仕草が上品なような子供っぽいような
……「なんだ?その反応?」そう問うと、
「貴方、新たな世界ができる度に来るじゃないですか…」 と太陽神は言った 。
…まぁ、否定は出来ないな…俺のしている世界の救済方法が魔王を作り人間に総力戦をさせ、団結させる…そんな方法。これには、問題がある、まず、俺の作った魔王なんてはっきり言って化け物…世界がぶっ壊れかねないということだ。俺の能力のコピーを直々に分け与えているのが問題なのだろう。3、40%は、多いのか…
次に、結局魔王のせいで死人が出ることだ。世界を差別や奴隷制から救うためにしているのに死人が出たら本末転倒すぎる……どうせ、奴隷を戦わせようとするしな。
その2つの問題を解決出来る策が、太陽神の力を直々に与えられた勇者を作ること…
そう考えた、そのため俺は新たな世界が誕生する度に太陽神を訪ねに来る。
「いつもの事ですよね?」 「あぁ、頼む」
手慣れた手つきですぐさま終わらせていた。
……少し見惚れてしまう。まあ、これで大丈夫だろう……
これ以上ここにいる必要はないし、天界に居続けるのも変だと思い、礼だけして帰ろうとしたその時、
「そういえば、そろそろ、長期休みにしませんか?」
そんな、意味のわからない提案をされるのだった……
ご視聴ありがとうございました。
これからの投稿もよろしくお願いします。