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神様が創りし地〜勇者パーティーの回復魔法師、転生しても回復魔法を極める!〜  作者: 立花 黒
亜人国家ハルシオン

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第95話、新たなる決意

 ◆ ◆ ◆



 モンスター討伐の毎日を送る中、情報が入る。サクの街の北部に冬でもないのに氷の森が出現しており、そこでハーフダークエルフの女の子が保護されていると。そうしてザインに水晶を借りた私は、ダークエルフの街であるラダの街へと交信する。そしてリーヴェに繋いで貰い——


「アルドくん、ごめんなさい。私、私のせいでみんなが、イリスさんが——」


「リーヴェ、まず落ち着くのだ」


「……はい」


「まずリーヴェは大丈夫なのか? 怪我とかしていないか? 」


「はい、足がちょっとだけ痛いですけど、大丈夫です」


 普段我慢強いリーヴェが痛いと口にするのは、よっぽど痛いのだろう。


「それでイリスはどうしている? 通信を変われるか? 」


 そこでリーヴェが泣き出す。そして涙ながらに話してくれて、イリスが剣を携えたレイスによって生命力を奪われてしまった事を知る。

 イリスが死んでしまった、信じられない。

 私はレガスト達とザイン達と別れると、エルとレイゼルの二人を連れてダークエルフの街であるラダへと急ぐ。


「リーヴェ」


 そして久方ぶりに会ったリーヴェはやつれていた。


「……アルドくん」


 回復魔法を飛ばしてリーヴェの足を完治させる。するとリーヴェが駆け寄ってきて私の胸の中に飛び込んできた。そして彼女は泣き崩れる。そのため私は彼女を落ち着かせるために、頭を優しく撫でる。

 そこでリーヴェが話し始めた。その内容とはモンスター達と一緒に生きた人と死んだ人の双方が氷の魔法で氷漬けにされている事と、その氷の魔法を発動させたのがリーヴェだと言うことを。

 そして取り敢えずその現場に行ってみようという事になり、私達は氷の森へと訪れた。


「アルドさん、本当に氷の森ですね」


「あぁ、これは凄い」


 この場所は辺り一面銀世界で、雪がパラパラと降ってきている。またモンスターや人々は、地面から生えた氷の柱に閉じ込められていた。そしてリーヴェにイリスの元へ案内して貰うと、その近くに大柄な剣を携えたレイスの姿も確認出来た。このレイスにイリスはやられてしまったのか。

 とそこで明後日の方向を向いて何やら聞き耳を立てていたリーヴェが、こちらへ駆け寄ってきて私の袖を掴む。


「アッ、アルドくん、今猫さん達に聞いたのですけど、この氷は団扇猫のアオグさんとソヨカゼさんの力で溶かす事が出来るそうです。そしてそして、レイスに生命力を取られて死んでしまった人達は生き返らせる事が出来るそうです」


「それは本当か! 」


「はい」


「しかしどうやって? 」


 生きるか死ぬかの瀬戸際の人は何度も救った事があるが、私に人を生き返らせる力は勿論ない。


「ちょっと聞いてみますね」


 そしてふむふむ下を向いて頷いていたリーヴェが顔を上げる。


「予言猫のムーンさんが、竜王国のダンジョンの深部に行けば未来が開かれると言っています」


 竜王国のダンジョンと言えば一つしかない。そしてそこに人を生き返らせるヒントがあるのなら、私は藁をも掴む気持ちで赴くだろう。そしてやはりキーとなるのは真実の呪文のような気がする。それは人を生き返らせると言う神がかった事は、神様にしか、神様からもたらされる知識でしか出来ないからだ。


 それと解凍した時にモンスター達がいては危険なので、私は神聖降臨陣(ホーリーオール)を唱えてまわり先に殲滅させた。

 そしてみんなと今後の方針を話し合い、ハルシオン領内に溢れているモンスター達を狩って沈静化させてから竜王国に向かう事を決めるのであった。



 ◆



 それから早いもので半月が過ぎていた。ハルシオン領内を歩いてもモンスター達にほぼほぼ会わなくなっていた。

 そして街への帰還中——


「アルドさん、そろそろ竜王国ドルスタに旅立つのですか? 」


「そうだな、もう私達がいなくてもこの国は大丈夫だろう」


「そうしたらレガストさん達とはここでお別れですね」


「あぁ、なんだかんだでずっと一緒にいたからな。別れが寂しいな」


 すると近くにいたレガストとオールドがこちらへ歩み寄ってくる。


「どうしたのじゃ、もしかしておぬしら旅立つのか? 」


「はい」


 するとレガストが微笑むと口を開く。


「そんな悲しい顔をするもんでない、きっとまた何処かで会える日がくるのじゃ」


「はい」


 そしてレガストを見ていると、ニマニマし出す。


「そうそうアルド、結婚式に招待されるのを心待ちにしておるのじゃ」


「……わかりました」


 そこでオールドが拳を突き出してくる。


「みんなまた会った時は、飲み交わそうぞぃ」


 みんな拳を作ると、円陣を作りその拳に軽く当てていく。


「お二方共、お体には気をつけられて下さいね」


 そうして私達は後ろ髪を引かれる思いで、チーム永遠の秩序と別れるのであった。


「アルドさん、移動するならギルドに寄って護衛系の仕事を見つけないとですね」


 エルの何気ない一言。

 ……そうか、暗い気持ちになって早くダンジョンを攻略しないといけないと思っていたが、焦ってはいけない。私がこんなではまたみんなに心配をかけてしまう。イリスがいて同じような状況になっていたならば、彼女も普通に接してくるはず。その事をエルに気付かさせて貰った訳だ。

 普段通り行こう。そうと決まれば護衛系の仕事を受注しなくてはな。復興にお金が必要なため、大規模討伐隊の報償金は微々たるものだしな。


 掲示板を確認すると、多くの護衛の依頼が張り出されていた。

 なるほど、街の外はまだモンスターがいるかもしれないからな。そうして私達は竜王国ドルスタへ避難する人たちの護衛をしながらハルシオン領を後にする。

 イリス、必ず救ってみせますので、少しだけ待っていて下さいね。

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