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神様が創りし地〜勇者パーティーの回復魔法師、転生しても回復魔法を極める!〜  作者: 立花 黒
亜人国家ハルシオン

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第86話、漆黒のダンジョン

 ザイン達は無事だろうか? しかし急がねばと言う焦る思いを制し心を落ち着ける。

 それにしても——墳墓の中は予想外にも静寂に包まれていた。その静けさが逆に不安を掻き立てる。多くのモンスターが生まれ落ちているはずなのに、なぜ?


「ははっ、近くにはモンスターはいないみたいですね」


 そんなエルの発言に、私は魔力消費を抑えるためここぞと言う時にしか使用していない全方位回復索敵版を発動してから声を潜めて答える。


「いいや、普通に沢山いるみたいだ」


「えっ? 」


 そう、多くの生命反応を感知していた。しかしこれは一体? 生命反応の殆どは何故かまったく移動していない。


「でも、静かですよ」


「耳を澄ませてみるんだ」


 そしてみんなが足を止めて耳を澄ませてみると、微かに何者かの息遣いが通路の奥から聞こえてくる。


「い、居ますね」


 そこでレガストに質問をぶつける。


「レガストさん、これはいったい? 」


「なあに、ここのダンジョンのゾンビは完全なる闇、光を浴びせなければ立ったまま寝ているように動かないのじゃ」


「それで、ですか」


 そんな特性があったとは。しかしそうなると光を消して進んだ方が安全だが、明かりを消すと真の闇となり何も見えない。また暗闇の中だとグールやレイスに遭遇した時が大変である。つまり明かりは点けっぱなしにしないといけなくなるため、ゾンビとは遭遇すれば普通に戦闘になるわけか。いや、光を浴びてから動き始めるのであれば、先制攻撃が出来て楽になるか。

 それからレガストを先頭に、ゆっくりとした足取りで警戒しながら私達は進んで行く。その間、光を放つ光球が前進すれば前進しただけ闇を取り除いていっている。そして分岐点が多い通路をレガストの後を続き進んで行っていると、光がギリギリ届く先に多くの汚れた足が照らし出された。通路一杯のゾンビ達だ。

 そこで照らし出されたと同時に、二人が瞬時に動く。先頭のレガストの左脇からレイゼルが、右脇からオールドが飛び出してゾンビの頭をそれぞれ破壊。そしてものの数秒で、通路にいた三十体程のゾンビを全て倒した。

 レイゼルはナイフに付着してしまった血を、虚空に向かってナイフを素早く振るう事によって壁に吹き付ける。そして壁にべっとり付いた血が黒霧に変わる中、冷静に話しかけて来る。


「アルド様、棒立ちのゾンビを狩るのは造作もないですね」


「あぁ、頼りにしているよ」


 ある一定以上の攻撃力があれば、動き出す前に一方的な攻撃をして終わるようだ。恐らく私やエル、そしてオールドが一人でこれをやれと言われても、レイゼルみたいにゾンビが動き出す前に全部を狩るのは無理だろう。

 そしてそんな戦闘を三回程繰り返した辺りで、第二フロアへと降りる階段を見つける。


「やっと階段が見えたか、やはりいつもより敵が多すぎなのじゃ」


 そして階段を降りていっていると、階段の中腹辺りで下から何かが続々と迫って来るのが見える。


「グールの群れなのじゃ! 」


 足場が悪い階段で遭遇するとは。しかしレイゼルは素早く動く。階段を駆け下りて行きレガストをすぐに追い越すと、繰り出されたグールの爪攻撃を姿勢を低くする事で躱し喉元に鋭い突きを叩き込む。次に横薙ぎに振られた爪攻撃をナイフでガードしたかと思うと、ガードと同時に出していたもう片方のナイフの突きでグールの心臓を貫いていた。

 なんだか出会った頃より鋭さが増している気がするなと考えていると、オールドの手助けもありあっという間に二十体近いグールの群れを返り討ちにする事に成功する。


「レイ、闘気の流れが以前と比べてスムーズになったような。もしかして隠れて訓練とかしているのか? 」


「……秘密です」


 そして第二フロアへと降り立った私達は、またレガストの案内の元通路を進んで行く。そこで先頭を行くレガストが足を止めてこちらへ振り返った。


「この先は大きな広場になっておるのじゃが、そこにおるであろうモンスター達は全滅させて良いじゃろうか? 」


 どうやらレガストはみんなと言うよりは、私個人に話しかけてきているようだ。


「どうしても通らないといけない場所で、戦闘を避けては通れない道でしたら全滅させるしかないでしょうね。ダンジョンのモンスターは好戦的で私達を見逃してはくれないですから」


「そうか、それじゃ決まりじゃな。皆の衆、ここから先は高確率で戦闘になるから、ワシを中心に密集体形をするのじゃ」


「わかりました。それと神聖降臨陣は使いましょうか? 」


「そうじゃな、例えそこにいるのがグールの変異種だったとしても他に一体でもゾンビの変異種が居れば迷わず使ってくれ。あとあまりにも多くのモンスターがいる時もな。ゾンビとゴーストだけでも居なくなったらスッキリするからの」


 そうして先頭をレイゼルとオールドに変更して、その後ろにレガスト、そしてレガストの両脇を固めるようにそれぞれ私とエルが陣取る陣形に。そこで左前方を任されているレイゼルへ声をかける。


「レイゼル、隣のエルを気にかけてやってくれ」


「わかりました」


 そして私達は広場へと歩みを進める。すると全方位回復索敵版に百体以上の生命反応が。やはり多い。ざっと見て変異種はいないようだが神聖降臨陣を使うべきだ。

 そうして私を中心に光の柱が発生して多くのモンスターを倒したのを合図に、広場での戦闘が始まるのであった。

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