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神様が創りし地〜勇者パーティーの回復魔法師、転生しても回復魔法を極める!〜  作者: 立花 黒
亜人国家ハルシオン

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第81話、はた迷惑と涙の再会

 ◆ ◆ ◆



「大丈夫ですか? 」


 私は声をかけながら、うつ伏せに倒れたままの小柄なエルフの魔道士に手を差し伸べる。


「おっ、お主は? 」


「祝福の風のアルドと言います」


「さっきのは魔法か? 」


「はい、神光魔法の神聖降臨陣です」


「……凄い威力じゃな」


「アンデット系には効果絶大のようですね」


 そこで差し出した手をギュッと握られたため、引っ張り起こす。


「ワシはレガスト=ヴァイザーじゃ。そして相棒のドワーフはオールド=ディアンじゃ」


 そうしてチーム永遠の秩序のレガストとオールドと知り合いになった私達は、近くの街へ立ち寄りギルドへレイス討伐報告を行なった。そして報償金をレガスト達と山分けした私達は、その日の晩、半ば強引に酒場へと連れていかれるのであった。

 因みに私の両隣には、レガストとオールドが座している。


「本当に奢って貰って宜しいのですか? 」


「あぁ、助けて貰ったからな」


 そう言いながら、エールを一気飲みするレガスト。そこで同じくエールを飲み干したオールドが、二人分のおかわりを注文した後話しに加わってくる。


「しかし本当に、ケチで有名なレガストさんが奢るなんて珍しい日もあるもんじゃの〜」


「きょ、今日は特別なのじゃ。しかし——」


 そこでレガストが視線だけを動かして、同じ丸テーブルに座る私達祝福の風を順に見ていく。


「見事に色とりどりの美女を集めよったな」


「いえ、皆たまたま縁がありまして」


 そこで再度オールドが話しに加わってくる。


「オッパイが八個か、たまらんの〜」


 ……なにを言っているのだ、このドワは?

 そしてドワの戯言は続く。


「ハーレムは冒険者の夢だからの〜」


「彼女達はそんなんではありません」


 すると今度はレガストが食ってかかってくる。


「アルド、この中に恋人はおらんのか!? 」


 そこで対面に座るリーヴェとレイゼルと目が合う。


「いえ、ただ婚約者なら二人います」


 するとレガストが両手で強くテーブルに付き立ち上がる。


「二人おるではないかい! ……しかし微妙な数じゃな」


 レガストが腕組みをする中、ドワが顎髭を触りながらイヤらしい笑みを浮かべる。


「レガストさんよ、これから増えるんじゃろ〜」


 するとレガストが「なるほど、なるほど」とうんうん頷く。


「なるほどじゃないですよ。増えませんよ」


 とそこでエルと目が合う。すると彼女は何も話すことなく、さっと目線を逸らした。

 と言うか——


「なんなんですか? お二人はエロの化身なんですか? 」


「そう邪険にするでない。久々の若々しい空気に、悪戯心が騒いでおるだけなのじゃ」


「はた迷惑です」


 すると「はた迷惑じゃと? 」っとおうむ返しに言葉を発したのち、レガストとドワは大爆笑をしてエールをカポカポ空けていく。


 あぁ、こう言うのを酒のつまみにされていると言うのか。そうして私は二人から根掘り葉掘りリーヴェ達との仲を聞かれていき、なんだか長く感じる夜は更けていくのであった。

 そして次の日の朝、目的地が同じ事がわかった私達とレガスト達は、ハルシオンの中心地にあるダンジョン沼地に埋没する墳墓(スワンプトゥーム)まで一緒に行く事にした。


 それから深い森の中を、南西へ南西へ何日もかけて進んでいく。

 そして旅の途中、イリスの故郷であるサクの街へと立ち寄る。因みにサクの街はエルフの集落のようで、通行人は全てエルフだ。


「懐かしいのです」


 そう言うイリスは、どこか嬉しそうな雰囲気に包まれている。


「どれくらい帰っていなかったのですか? 」


「アルルの前世の時ぶりだから、二百年は帰っていないのです」


「それはご両親も喜ばれるかもですね」


 そしてチーム永遠の秩序の二人が涙の対面の邪魔をしたら悪いからと言う事で酒場へ行く中、私達祝福の風はイリスに続き彼女が生まれ育ったと言う母家へ向かう。

 そうしてイリスが一軒家の扉をノックする。


「お父さん、お母さん、帰ったのです」


 すると扉が開け放たれて男女二人のエルフが飛び出てきた。そして二人はイリスを両側から抱きしめると、涙ながらに話し始める。


「イリス、お帰り、会いたかったよ」

「馬鹿娘が、水晶で連絡ぐらいよこさないか」


 そしてイリスも貰い泣きをする。


「ごめんなさい、お父さん、お母さん。ごめんなさい」


「……してその方達は? 」


「この子達は——」


 イリスから紹介された私達はイリスと同じように歓迎され、その日の晩、宴が用意されイリスの実家で寝泊りするのであった。

 そして次の日、イリスから離れの建物へ案内されていた。


「ここは私が幼い頃、魔具作りに没頭した初代アトリエなのです」


 そこは小さな個室をそのまま家にしたような、丸みを帯びたドーム状の建物だ。建物の壁や屋根には苔が生えており、緑色に染まっている。そして中に入ってみると埃一つ落ちていない、綺麗な部屋であった。

 恐らくイリスの両親が、いつ娘が帰ってきても良いように手入れをしていたのだろう。

 そこでイリスが以前見せてくれた小さな魔銃とスナイパーライフルの中間くらいの長さの魔銃を手に取ってみせてくれる。


「これは初代魔銃で名をアサルトライフルゼロワンカスタムと言います。お父さんとの合作なのです。そしてスナイパーライフルと同じように、大気中の魔素が濃ければ魔石無しでも撃てる優れものなのです」


「それをここで眠らせていると言う事は、なにか欠点があるのですか? 」


「アルルは鋭いのです。そうです、耐久性のテストをしていたら暴発したのです。その時お父さんが腕に軽い火傷を負ったのです。昔はよく無茶をしていたのです」


「暴発って、怖いですね」


「今の技術があれば暴発しないように出来るのですけど——」


 そこでイリスがポンっと手を叩く。なにか閃いたようだ。


「アルル、近距離でも戦えるよう、アサルトライフルゼロワンカスタムを弄りたいのですが、また数日間籠っても良いですか? 」


 イリスは冒険者になって私達と旅をしている。つまり実家でゆっくりする機会は限られてくるだろう。だから里帰りは出来るならばゆっくりさせてあげたい。


「あぁ、ゆっくりしてくれて良いですよ」


 レガスト達とのダンジョンまで一緒に行く約束があるので、イリスとはここから別行動だな。そんな事を考えていると——

 イリスがリーヴェの弓に視線を向ける。


「リーヴェちゃんの弓はだいぶ痛んでいるのです。ここならメンテナンスも簡単に出来るのです」


 それを受けて、リーヴェは弓をイリスに差し出す。


「わかりました、メンテナンスよろしくお願いします! 」


 そうなると、リーヴェもここで待機したほうが良いな。いくら猫がいるとはいえ、無手でダンジョンに行くのは危険だからな。

 そうしてリーヴェも私達がダンジョンから帰ってくるまでの間、ここで待っていてくれと話す。するとリーヴェが、『わかりました』と返事をすると共に、おやすみのキスはその間レイゼルもしたら駄目と言う事を念を押さられるのであった。

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