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神様が創りし地〜勇者パーティーの回復魔法師、転生しても回復魔法を極める!〜  作者: 立花 黒
新メンバーはメカニック担当!?

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第44話、自己紹介

「へぇー、ハーフとは言え流石ダークエルフです。見事な身体つきとそれに見合った服装なのです」


 エルフ特有の胸が育ちにくいと言われる体質を具現化したようなイリスは、リーヴェの体型や服装に対して嫌味と言うより素で感想を述べる。


「リーヴェと言います、よろしくお願いします! 」


「ふむふむ素直ですね、それで戦いではその弓を使うのですか? 」


「はい、でもまだまだリーヴェはひよっ子なのです」


「なにこの子、話してみたら可愛らしいのです! アルル、よくこんな可愛らしい子を仲間に出来たですね」


「リーヴェは私には勿体無い子です」


「えっ、その言い回しだと付き合っているのですか? 」


「いえ、ただの友人です」


 そこでエルがわざとらしく両手を振って皆の視線を集める。


「あー、そこはボクが後で詳しく説明をします」


「えーと、彼女はアルルのもう一人の仲間ですよね」


「はい、彼女はエルと言います。それよりエル、後で詳しくとはどう言う——」


 そこでリーヴェとのキス事件を思い出す。つまりそこのところまで話すと言うのか?


「エル、初対面の相手になにもそこまで——」


 そこで気がつく。もしかしてエル、強引なイリスに対して既に何かを感じ取ったのでは? 好印象的な何かを。だからいきなり、そこまで話そうとしているのでは?


「へぇー、エルちゃんですね。あとでお姉さんにじっくり聞かせてほしいです。それでエルちゃんは僧侶なのですか? 」


「いえ、戦士候補です」


「……アルルー、女の子を前線に立たせるとか少し酷いんじゃないですか? 他に仲間はいないのですよね? 」


「はい」


「仮にもこの街へ旅して来たって事は冒険者ですよね? こう言うのもなんですが、専属の僧侶がいないパーティーだなんて、華奢な女の子たちを連れ歩く資格がないんじゃないのですか? 」


「私が回復を使えるのでその問題は解決済です」


「えっ? あのアルルが回復魔法を使えるのですか? 」


「はい、回復魔法は使えます」


「それって、……もしかして精霊魔法を使えないって事なのですか? 」


「はい、私は回復魔法を愛しているので、精霊魔法は一切使わないと決めています」


「そそ、そうですか」


 そこで攻撃魔法が使えない私たちのパーティーに驚いたようで、イリスは腕を組み逡巡する。

 ……レコ王国では魔法使いは珍しいが、マジェスタ王国ではそうではないのか。


「あの、アルドくん」


「どうしたリーヴェ? 」


「猫ちゃんたちの説明もした方が良いですか? 」


「いや、ただ混乱させてしまうだけだと思うから、今はまだしなくて良いよ」


「わかりました! 」


 そこでイリスが顔を上げる。


「みんなの自己紹介的なものはわかったのです。それで今度はこちらの説明も兼ねて、私のアトリエに招待するのです」


 そうしてすることも無くこの後街をブラブラする予定だった私たちは、イリスの後に続き街はずれの民家兼お店、アーティファクト工房イリスを訪れていた。

 店内に並ぶ魔具の数々。

 リーヴェは物珍しそうにしながら、指輪を手にして目を輝かせる。


「イリスさんのお家って、魔具屋さんなんですね! 」


「そうです。しかもここに並んでいる一部は、私が作った他にはないオリジナル品なのです。一見の価値有りです」


「エル、お前は純粋な脳筋だから、間違っても商品には触れるなよ。魔具が反応したらせっかくの脳筋状態が解除されてしまうからな」


「はーい」


 そこで店内に目を向ける。物は多いとは言えなかったが、少なくもない数の指輪や剣が並んでいる。中には盾の魔具? や初めて見る形状の、何に使うのかわからない物まである。


「アルル、それがなんだかわかるですか? 」


 何に使うのかわからないと思っている物を見ていると、イリスから声をかけられた。

 握る部分があるので手にとって見て見るが、殴りかかるには短く軽すぎて使い物になりそうにない。しかしこれは魔具である。何かしらの魔力付与がされているのだろう。


「わからないですか」


 答えれなかった私にガッカリした様子のイリス。しかし次の瞬間には綺麗な顔に戻る。

 と言うか、何故か少し興奮しているような気がしないでもない。


「それはですね、魔銃って言う私のオリジナル作品なのです。って言ってもわからないですよね。ちょっと貸して下さい」


 得意げなイリス、自慢したかっただけか。

 魔銃を手渡すと、彼女は私たちを連れて店外へと出る。そしてぐるっと建物の裏に回り込むと、砂山の前にまで来た。そしておもむろに半身になり魔具を握りしめた腕を伸ばす。そしてもう片方の腕で魔具を支えるようにして伸ばした腕で、魔具の下方部分を握り狙いを定める。


『バァン! 』


 大気を震わす轟音。と共に火の玉が飛び出し、次の瞬間には砂山にコイン一枚弱分の穴を穿つ。


「びっくりしたー」

「すすっ、凄いです! 」


 大きな音に驚いた二人は思い思いに感想を述べる。

 今のは魔法を撃ち飛ばした?

 剣に炎を纏わせたり、指輪から少量の炎を出すのは見た事があるが、魔具からそのまま魔法が飛び出たのは初めて見た。しかも早い。


「魔法を飛ばしたのですか? 」


「そうです。ただその度に魔物からドロップする魔石が消費されますから、まだまだ割が合わない金食い虫なんですけどね」


 そこで民家とは別の、離れの小屋を見やったイリスが口を開く。


「そうそう、とっておきを見せたいからついて来るのです」

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