↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/27

第7話【祓魔師と宮廷指南役】

 鳩型ゴーレムことシェールアミュが返信の手紙を携《たずさ》えて戻ってから半月程度が過ぎた頃、敷地《しきち》の門を通り抜ける馬車をオリヴァーと両親は出迎えていた。


 2頭の馬に引かれた馬車は車全体が漆黒《しっこく》で金細工《きんざいく》が所々に施《ほど》され、豪奢《ごうしゃ》な造《つく》りをしていたが、近付くにつれオリヴァーの目を引いたのはその馬車を牽引《けんいん》する馬達《うまたち》だった。


 遠目《とおめ》であれば、馬達はただの黒い馬と白い馬にしか見えなかったが、近くで見ると『それら』はただの馬ではなかった。


 それらは金属の光沢《こうたく》を帯《お》びた馬の形状《けいじょう》を模《も》した動く銅像《どうぞう》……、黒と白の馬型《うまがた》ゴーレムだった。


 馬型ゴーレムは動物の馬ではないためか馬車から手綱《たずな》を握《にぎ》り馬を操《あやつ》る馭者《ぎょしゃ》がおらず、まるで独《ひと》りでに駆けている様だった。

 屋敷の近くまで来るとゴーレム馬車は徐々に速度を落としていき、馬車側面の扉が屋敷の正面扉と正対《せいたい》すると車体がピタリと止まり、2頭は銅像の様に佇《たたず》んだ。

 豪奢《ごうしゃ》な馬車の滑《なめ》らかな動きや2頭の一糸乱《いっしみだ》れぬ動きと停車位置の精度《せいど》はまるで此処《ここ》に来た人物の格《かく》と技量《ぎりょう》を示《しめ》しているようだった。


挿絵(By みてみん)


 そして、馬車のドアが開くと整《ととの》った馭者《ぎょしゃ》の服装を着た1人の少年がまず降《お》りて、車内にいる誰かをエスコートするように手を伸ばした。


 すると扇《おうぎ》を携えた銀髪の少女が馬車から降りてきた。

 銀髪の少女は長い耳に褐色《かっしょく》の肌をしており、ロングヘアの先を束《たば》ね纏《まと》まった髪はまるで真珠《しんじゅ》を織物《おりもの》にしたように微《わず》かに桃色《ももいろ》の光沢を帯《お》びていた。

 更にその真珠の様な光沢を黒地白縁《くろじしろぶち》のローブが際立《きわだ》てていたのだ。


 次に黒髪の少女が黒い長髪を軽《かろ》やかに靡《なび》かせながら馬車を降りてきた。

 黒髪の少女はロングヘアからは少しだけ丸みの帯びた長い耳が出ており、肌の色は艷《つや》やかな琥珀色《こはくいろ》で身に着けた紫のマントと袖《そで》無しの赤い上着と丈《たけ》の短いスカートという服装は彼女の琥珀色の輝きを遮《さえぎ》るには不十分だった。

 そして、黒髪の少女が降りる際にエスコートしてくれた少年の背中をポンポンと叩き、ニコニコ笑いながら何やら耳元で一言《ひとこと》話すと少年はドッキリと顔を赤《あか》らめていたが、直《す》ぐに少年は咳払《せきばら》いをし、次の少女の降車をエスコートすべく気を取り直《なお》した。


 最後に金髪の少女がミディアムロングヘアの髪をふわりと浮かせるようにゆったり馬車から降りてきた。


挿絵(By みてみん)


 金髪の少女は綺麗《きれい》な煌《きら》めく白色の肌をしており、尖った長い耳が特徴的《とくちょうてき》だった。 白と青のツートンカラーのローブを羽織《はお》り、エスコートを受けて降りると何かを謝《あやま》るように少年にお辞儀《じぎ》をしていた。


 少年は慌《あわ》てる様《よう》に何か固辞《こじ》していると、扇で口元を隠した銀髪の少女に鋭い視線を送られていたことに気付き、急いで荷物を降ろすと馬車の移動を始めた。

 ところが少年は慌てていたのか被《かぶ》っていた帽子がズレ、黒い髪と額から生えた白く小さな2本の角《つの》がちらりと見えてしまった。


 そのちらりと見えた角の生えた少年の姿にオリヴァーは聞き覚《おぼ》えがあった。

 それは『人鬼族《じんきぞく》』と呼ばれる種族だった。

 言い伝えでは東の大地より生まれ、最果《さいは》ての地に流れ着いたとされる亜人《あじん》に近い民族《みんぞく》であり、特徴的な角を額《ひたい》から生《は》やし、無口《むくち》で膂力《りょりょく》の強さから傭兵《ようへい》などの荒事《あらごと》を生業《なりわい》とし、西側の大国の民衆からは蛮族《ばんぞく》扱いを受けていた。

 また、魔物に近いとされる亜人の血筋《ちすじ》のせいか幼子《おさなご》から成人《せいじん》への成長が早く、寿命は人間の2倍を有《ゆう》していた。


 銀髪の少女はそんな人鬼族《じんきぞく》の少年を注意する。

「ノブハーツよ、焦《あせ》るでない、ここはニーナス王国ではないのじゃ」

 ノブハーツと呼ばれた人鬼族《じんきぞく》の少年は帽子を素早《すばや》く整《ととの》えて角を隠《かく》すと馬車の移動を済《す》ませていった。

 馬車から降りて玄関へ向かう少女達の外見的な年齢は十代半《じゅうだいなか》ば位で当時のオリヴァーよりも少し年上の風貌《ふうぼう》で背丈《せたけ》も僅《わず》かに高かった。


 3人の少女は三者三様《さんしゃさんよう》にアーサーとコーネリアと挨拶《あいさつ》を交《か》わしていった。


 銀髪の少女は尊大《そんだい》ながらも路中《ろちゅう》の不満をアーサーの耳元で扇で隠しながら漏《も》らした。

「直接会うのは少々久《ひさ》しいのう、息災《そくさい》であったかアーサーよ? 

 麿《まろ》としては多忙《たぼう》であるがお主《ぬし》の願いとあらば無碍《むげ》に出来《でき》まいて……

 じゃが、あの二人を乗せるなど聞いておらぬぞ! エリーザは良いが、危うく麿《まろ》の従者《じゅうしゃ》がミーナの奴《やっこ》に籠絡《ろうらく》されかけたのだぞ・・・!

 アヤツの趣向《しゅこう》もお主は知っておろう!」

 アーサーは何か話が噛み合っていない事に気が付き、疑問を抱きつつもポカンとしてしまう。

「ミュルタレ様? 申し訳ございません……、ミーナ殿《どの》とは調整した上で相乗《あいの》りとなったのでは? ……無いのですね」

 アーサーの目には銀髪の少女ことミュルタレの背後で黒髪の少女ことミーナが自身の後頭部を撫《な》でながら照《て》れ隠《かく》しの様な笑《え》みを浮かべていたので状況《じょうきょう》を察《さっ》し、逡巡《しゅんじゅん》した。

「(これは……、ミーナ殿、何をされておられるのですか……!話がついたとウソを申《もう》されましたな!)

 ミュルタレ様、申し訳ございません……、配慮《はいりょ》が欠《か》けておりました。」

 アーサーの胃はキリキリと音を立てそうになった。

 ミュルタレもここで察《さっ》し呆《あき》れてしまった。

「アーサー、良い……、ミーナじゃな?

 麿《まろ》としたことが、お主が気遣《きづか》いできる人間《にんげん》だったことを忘れておったわ」


 アーサーにミュルタレが話をする間、黒髪の少女ことミーナはコーネリアに親《した》しげに話しかけ最後に会った日を思い返していた。

「懐《なつ》かしいわ、コーネリアも元気そうね! そう……、17年ぶり位かしらね…… 」

 コーネリアも最後に会った日をしんみりと思い返していた。

「ええ、そうですね……、あれからそんなにも経《た》ちましたね……ヴィルヘルミナ様もお変わりなく……、

 長男のエリックは法王国で教会の寮《りょう》で勉学《べんがく》に勤《いそ》しんでおります」

「そう……、よかったわ! あの子も元気そうで!」

 するとミーナにはミュルタレが何やらアーサーに不満をぶつけている様《さま》が見え、ちらりとアーサーから送られる視線に愛想《あいそ》笑いで答えた。


 そして、話し終えたアーサーとコーネリアに金髪の少女は慣れない丁寧《ていねい》口調で語《かた》りかける。

「お久しぶりですね、アーサー……辺境伯《へんきょうはく》、コーネリアちゃ……辺境伯夫人《へんきょうはくふじん》」

「アーサーで結構ですよ、エリーザ殿」

「私もです、エリザベット様、コーネリアで構いません」

「じゃあ、アーサー、コーネリア、この子が貴方達《あなたたち》の子供?」

 

 金髪の少女ことエリーザは会話に入り込む余地《よち》を見出《みい》だせないオリヴァーの方《ほう》を見ていた。

 ミュルタレとミーナはエリーザが話をしていた間に何やら言い合いをしていたが『貴方達の子供』という単語にお互い反応した。


「はい、そうです

 こちらは私達の息子のオリヴァーです 」

 アーサーはオリヴァーの両肩にポンと手を置いてオリヴァーに少女達を紹介していった。

「オリヴァー、待たせて済まなかったね

 こちらは祓魔師《ふつまし》のミュルタレ様とゴーレム研究の第一人者《だいいちにんしゃ》であられるヴィルヘルミナ殿とエリザベット殿だ

 父さんが知る中で最もゴーレムに詳しい方々だ 」


 オリヴァーを見据えた3人の少女達は自己紹介を始めた。

「麿《まろ》はミュルタレ・マリアージュ、ニーナス王国の祓魔師《ふつまし》じゃ、死霊魔導《しりょうまどう》や神働魔導《しんどうまどう》を得意《とくい》としておる

 麿《まろ》の魔導はまつろわぬ死霊を祓《はら》い、命無《いのちな》きモノに命を吹き込むぞ……

 オリヴァーじゃったか、お主が命脈《めいみゃく》尽《つ》きんとするときは麿《まろ》の魔導を頼《たよ》れ お主の命脈《めいみゃく》を保《たも》ってやろうぞ 」

 ミュルタレは薄紅色《うすべにいろ》の瞳が鋭く笑いながら自身の紹介を終えた。

 その様はまるで獲物《えもの》を値踏《ねぶ》みする狩人《かりうど》のようだった。


「こんにちは、オリヴァー君

 私の名前はヴィルヘルミナ・グーテンベルクよ、お姉さんの事はミーナって呼んでちょうだいね!

 これでも鍛冶技術《かじぎじゅつ》や冶金魔導《やきんまどう》の分野でエディアルト法王国《ほうおうこく》の『宮廷指南役《きゅうていしなんやく》』をやってるから分からないことはドシドシ聞いてね!」

 ミーナは赤い目をキラキラ輝かせて、ハキハキと自信と熱意を込めて自己紹介をした。


「初めまして、オリヴァー君

 私はエリザベット・シビュラです、みんな私のことエリーザって呼んでます

 えぇと……、私もその……ミーナちゃんと同じエディアルト法王国《ほうおうこく》の『宮廷指南役《きゅうていしなんやく》』で多分、私が教えれるのは刻印魔導《こくいんまどう》と回復魔導《かいふくまどう》になります 」

 エリーザは蒼《あお》い目を泳《およ》がして、初めて会うオリヴァーに少しオドオドしながらも自己紹介を終えた。


「初めまして、私はオリヴァー・ウィンスターです

 今回、ゴーレムについてご指南して頂《いただ》くために遠路《えんろ》はるばるお越《こ》し下さりありがとうございます!

 御三方《おさんかた》のご指導《しどう》についていけるように頑張ります!」

 少し気合を入れ丁寧に自己紹介を返すと・・・


「きゃあ〜、か、可愛《かわい》過ぎるわ!!」

 ミーナがオリヴァーをギュッと抱《だ》きしめて、ゴシゴシと頭を撫《な》でていた。

「えっ?」

 オリヴァーの視界は一瞬で柔らかい褐色となり、呆気《あっけ》に取られ何も抵抗《ていこう》出来なかった。

 咄嗟《とっさ》の事だったからなのか、経験不足からなのか、それとも両者なのかは定《さだ》かではない。

 ポカンと唖然《あぜん》とするオリヴァーだったが、抱きつかれたミーナから香《かお》る香水《こうすい》の香りはオリヴァーの鼻腔《びくう》にしばらく残り続けた。


 そんな為《な》すがままに呆然《ぼうぜん》とするオリヴァーを助け出したのは母コーネリアだった。

「もう、ヴィルヘルミナ様!オリーちゃんが困《こま》ってます! 最初から甘《あま》やかしちゃだめです!」

 母親は自分の胸元《むなもと》に我が子を抱《だ》き寄《よ》せていた。


「だってしょうがないじゃない オリヴァー君が一生懸命で可愛《かわ》いんだもの」

「はぁ、お主は昔から変わらぬのぉ、麿《まろ》の従者《じゅうしゃ》に手を付けたばかりというものを……」

「ミーナちゃん、何度も言うけど、いきなりは不味《まず》いよ……」

 ミュルタレもエリーザも半《なか》ばあきらめと呆《あき》れが混《ま》じりながらもミーナを窘《たしな》めた。


 アーサーも呆《あき》れて体が弛緩《しかん》仕掛《しか》けたが急に背中から殺気《さっき》に近いものを一瞬感じ緊張《きんちょう》が走った。

 コーネリアはエメラルド色の瞳で一瞬だけキリッとアーサーを睨《にら》みつけていたのだ。

 アーサーは気の休まる間もなく3人の客人《きゃくじん》を部屋へ直接案内していこうとする。

「うむ……、ミュルタレ様、ミーナ殿、エリーザ殿も遠路はるばるの船旅《ふなたび》と馬車での移動でお疲れでしょう!

 お部屋を案内しますよ! さぁ!」


 屋敷の扉の裏では部屋の案内をする筈《はず》だった使用人のジャクリーンが控《ひか》えていたが、アーサーがジャクリーンと視点を合わせて首を振ると彼女は頷《うなず》き各部屋へ周り客人が来た旨を待機してる他の使用人へ伝えまわった。


 ミュルタレは日用品であればアーサーの使用人に運ばせたが、祓魔師《ふつまし》に関わる物については自身の従者ノブハーツに様々な指示を与えながら運ばせる為にその場を離れていった。


 アーサーは各々の部屋に向かいながらミーナとエリーザの二人と会話していた。

「それにしても対岸《たいがん》の隣国《りんごく》とはいえエディアルト法王国の宮廷指南役のミーナ殿、エリーザ殿の御二方《おふたかた》が直《す》ぐにこちらまで来られるとは思っておりませんでしたよ」


 ミーナは素《そ》っ気《け》なくも大陸で最近起きた時事《じじ》を語っていった。

「あぁ、それについてね……、先日、教皇《きょうこう》が崩御《ほうぎょ》したのよ……」


 アーサーは顎髭《あごひげ》を触りながら深妙《しんみょう》な面持《おもも》ちで言葉を紡《つむ》いだ。

「では、周辺の教会が慌《あわ》ただしくしているのも……」


「そうね、詳しい話は宮廷にも流れてないけどね……

 まぁ、少なくとも宮廷は指南事をしてる場合じゃないんじゃない?

 それにどうも隣国のエヴァント都市同盟諸国《としどうめいしょこく》がきな臭くなっててね

 ほら、サルヴァトル教の教義《きょうぎ》に種族の混血《こんけつ》は許さないってヤツがあるじゃない?

 都市同盟の方で過激な原理主義派が台頭《たいとう》し始めちゃって混血児《こんけつじ》への迫害《はくがい》が激しくなっちゃってるの

 それで悪い事に法王国にもその手の狂信者《きょうしんしゃ》が流れ込んで来ちゃってて不穏《ふおん》な空気が漂《ただよ》っているわけよ


 まったく、私はエルフとドワーフのハーフ、あとエリーザちゃんはほぼエルフだけどハーフエルフとの混血《こんけつ》だからね

 はぁ、自分の生《う》まれはどうにも出来ないのにな……」


 ミーナがエリーザの顔を見ると青い瞳を地面に逸《そ》らして答える。

「私の蒼色《あおいろ》の瞳は本来のエルフの灰色《はいいろ》じゃないから目立ってしまいます」


 サルヴァトル教は神話の闇の巨人を打ち倒した英雄を称《たた》える宗教であり、現在の教義では英雄と神を同一視していた。

 そして、人間、エルフ、ドワーフ、魚人の四大種族《よんだいしゅぞく》以外の種族は流星の欠片《かけら》を持たぬ『星《ほし》なし』として軽蔑《けいべつ》し、更に四大種族の純血《じゅんけつ》を尊《とうと》んでいた。

 この様に純血が求められた理由には教徒として神が作ったものを混血によって変えてしまうことに忌避感《きひかん》を覚《おぼ》えたからだった。

 このため、混血児は『星なし』ほどではないにせよ純血の人よりも軽蔑《けいべつ》されがちであり、教典を重視する原理主義派からの反応はより過激な物だった。


 そんな中、ミーナとエリーザは己《おの》が実力で宮廷指南役という地位を手にしていたが、この時から逆風《ぎゃくふう》は吹き荒れ始めていた……。


「そうですか……、サルヴァトル教が……、なんとも居心地《いごこち》が悪そうですね」


「そう、だから私達はなるべく王国や都市連合の外で仕事がしたくってね、だから今回の仕事は渡りに舟《ふね》だったわけ」


 宮廷指南役とは宮廷御抱えの指南役の事であり王族やそれに近しい間柄《あいだがら》の人間を指南する。普通の指南役であれば準2級の資格で勤《つと》められるが宮廷指南役は1級以上の実力や実績が求められていた。


 アーサーはそのことについて思案《しあん》する。

「(本来であれば、宮廷はその様な人材を外部へ放つ様な真似《まね》はしない……、ミーナ殿が感じられるキナ臭《くさ》さは宮廷《きゅうてい》迄及《までおよ》んでいると考えるべきか……

 そして、都市連合の元老院は過激な原理主義派に相当侵《そうとうおか》されているな……、人材流出の好機と捉《とら》えるべきか?)」


 深刻に考え込むアーサーをミーナは一瞥《いちべつ》して口を開いた。

「あ〜ぁ、もう宮廷指南役辞めちゃって、フリーになろうかな〜

 それでどっかの誰かさんみたいにいい男を指南しながら告《こく》っちゃおっかな」

 ちらりとオリヴァーを見据《みす》えて……。


 ミーナはアーサーとコーネリアの地雷を踏んだ、一踏みで二つ踏み抜いてしまった。

「そ、それは困りますぞミーナ殿!!」

「ふふふ、ヴィルヘルミナ様、私のオリヴァーちゃんは私がキッチリ鍛えてますから大丈夫ですよ〜!」


 オリヴァーはミーナとエリーザを見て少しため息を付いてしまった。

「(話が付いて行けてないけど、どうやら僕はとんでもない人達を相手にしないといけないみたいだ……

 大丈夫かな?) はぁ……」


 エリーザはオリヴァーのこの反応からとあることに気付いてしまった。

「(アレ?私、纏《まと》められた? オリヴァー君にミーナちゃんみたいな人だと思われてる……?!)」


 翌日から騒々しくもオリヴァーの人生、カミシマの人生、そしてアレックスの人生を大きく変える事になるゴーレムの授業が始まった。


©碧渚 志漣, Aona Shiren, 2024. All Rights Reserved. Reproduction and translation are prohibited.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
祓魔師のミュルタレさん、ゴーレム研究のミーナさんとエリーザさん、3人と初対面のオリヴァーさんですが、両親と3人のやり取りからそれぞれの性格がチラ見えして、楽しく読みました(*'ω'*) 私としては人鬼…
ゴーレムの授業たのじみじゃ。ミュルタレとエリーザとミーナの修行でゴーレム使いになるんじゃろうかのう?カミシマとアレックスの人生はどんなものになっていくんじゃろうか?楽しみじゃ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。