第八十話後悔の念
第八十話後悔の念
私がもっとちゃんとしていれば、エルが連れて行かれなかったのに……私が、私がもっと……。
「おい、スミカ……スミカ!!」
「……はっ、はい!! すみませんシャルロッテさん」
「悔しいのは分かるが、それは後にしろ。生きていることを信じて今はルミエルを助けることだけを考えろ」
「それは……分かってます。ですが」
「『ですが、気持ちが追いつかない』だろ俺とミリアだったそうだ。俺とミリアはその場に居れず何も出来なかった」
私とシャルロッテさんは熱が上がり口論っぽくなってしまった。
「スミカさんとロッテの気持ちも分かりますが、今は落ち着きましょう」
ミリアさんがすぐに止めてくれたから良かったものの、ほんとエルが連れて行かれたって状況に何やってるんだろ、私。
「お前ら止まらず黙って進んでくれよ、本当に助けられなくなるぞ!! テシウスが死んじまうんだよ、早く行くぞ」
「おい、ファジリスお前転移魔法を使えたはずだろ、使ったほうが早く行……」
「使えないんだよ!! 冷静じゃない今使うぐらいなら走った方が速いんだよ!! なんでこうなんだよ……なんでいつも肝心な時に私は……私は!! すまない、進もう」
「……こっちこそ、すまなかった。一人ずつでいいなら乗せていけるが、どうする?」
「一人ずつ狙われたらどうするんだよって話だが、今回はそうも言ってられない。私から乗せてくれ」
「了解した。ケールナ……ちょっと嫌がるな、乗せてやってくれ。何? 最後ならいいのか……そうか、そういうことみたいだ、すまないファジリス」
「最後だろうが、乗せてもらえるのなら今は文句は言わん」
「ケールナは最初にスミカを乗せたいみたいだ」
「……ルミエルと一緒にいたお前、少し待て」
「何?」
「これを持っていけ。私の髪で作ったやつだが一度攻撃を防ぐはずだ。私のせいでお前の大切なやつが連れていかれたようなものだからな……お詫びだ」
「ファジリスさんも大切な人が殺されそうだったんでしょ……私も貴女の立場だったら同じことしたから、今は許しはしないけどありがとう。もらっておくね」
「スミカ、ちゃんとベルトつけたかい?」
「つけました」
「よし、出発だ!!」
私はセオドアさんに運んでもらい、一番に着いた。
「おっ、お前はルミエルと一緒にいたガキ!! 殺したら褒めてもらえるかも…………ごめんなさい、殺しませんテシ兄……はっ、またテシ兄の魔力のせいで、謝ってしまった」
私が臨戦態勢に入った瞬間足音と声が聞こえてきた。
音と共に身体が震えるほどの魔力の圧を感じ、瞬時に理解した。
『私では絶対に勝てない』と。
「ダメだよペー、この子は殺したら……私がルミエルの目の前で殺すんだから」
「申し訳ありませんボス!!」
この人がエデンの園のボス……なんだかエルに似てる。
「それは後でいいから魔力炉に補充するのが先だろ!!」
「は〜い、ガンちゃん」
エル似のボスはもしかしたらノラさんとノアさんみたいな感じなのかも。
エル似のボスとエルを連れて行ったやつが私から離れて少し経った頃、"私の光"を見つけた。
「……生きてる、エルが生きてる」
「すっ、スミ……」
「叫んではいけませんよ、ルミエルさん」
「だっ、誰あの男の人!! ガルル」
「犬みたいなスミカもかわいいな〜」
「ルミエルさん、スミカさんたちにお伝えすることがあるのでは?」
エルの説明によりなぜエデンの園のボスがエルに似ているのかということ、そしてそのボスの中に私たちの倒すべき魔龍王ヴォルフガングがいることも。
読んでいただきありがとうございます!!
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