第七十九話お祖母様
第七十九話お祖母様
「……ボス、なぜペディを行かせ……たのですか?」
「四天王を補充するためと言っただろう」
「本当の狙いは別にあるのでしょう……ぐっ」
「別にあるのは、当然だろ。それにお前は寝ていろ。今死なれたら困るんだよ」
「ファーと今以上に仲良くなるにテッシーが必要なんだから死んじゃったら困るの」
「人質にしたいからってことですか……分かりました。(私だって今死ぬわけには、いかない。私がファジーを追い詰めてしまった。私が突然病気に…………待てよ、何かおかしい。"無病"のスキルがある私が……もし呪いの類だとすれば……試しに解呪してみるか)」
「解呪」
「何か言ったか」
「寝言じゃない?」
やはりか。もっと早く気づけていればファジーに……無理をさせずに済んだというのに。
だが今は治っていないふりをする。
ペディのことだ、ファジーに私が死んだとでも言うだろう。
どうか冷静になってくれ……私はファジーがいない世界では死にたくない。
ニョロニョロ
「ただいま戻りました。オェッ」
ボトン
「ゲホッ……ゲホッ」
「ルミエルを連れて参りました。これで私を四天王にしてくださるのですよねボス」
「ああ、だがそれはお前がテシウスを殺したらだがな。テシウスを殺せない奴が四天王になどなれるものか。明日テシウスと決闘をしろ。……ファジリスも呼んでおかないとな〜」
「ですねぇ、テシ兄のあとは義姉さんも殺してもいいですよね」
「ああいい……」
「ダメ!! ファーを殺すときは、ちゃんとファーの大切な物を壊して絶望のドン底に落としてからじゃないと!!」
「俺が言うのも何だが、ほんとお前は歪んでるよな」
「もう、私はおかしくないよ〜」
「あの、お祖母様……何を言ってるのですか? それにボスって何のことですか?」
「そういえばルミエルちゃんは知らなかったね。私がエデンの園のボスで……」
チラッ
「俺は名乗らないからな」
「もうガンちゃん!! "大切"な孫の前なんだから名乗ってよ」
「……ああもう、分かった!! おい、ルミエル、俺はヴォルフガングだ。今はこいつの身体を借りている状態だ」
……ヴォルフガングって……どういうこと? いや、頭では分かってるのに、理解が追いつかない。
「おい、ルミエルが焦っているぞ。どうにかしろ、お前の孫だろ」
「と言っても……今"大切"にしたいのを我慢してるからちょっと無理」
「そういうことか。おい、起きているのは、分かってるぞテシウス……任せた」
「ゴホッゴホッ……病気の私にですか? 仕方……ないですね。行きますよルミエルさん、着いてきてください」
私の身体は動かなかった。
テシウスという男の人に私は腕を掴まれ、無理やりどこかへ連れて行かれた。
「さっきはすまなかった、ルミエル……一つ聞きたいのだが、ファジリスという女性に会わなかったか?」
ファジリスってまさか!?
「その様子だと会ったみたいだね。ちなみにここは私とファジリスの部屋だから、君の祖母は来ないから安心して」
ヴォルフガングを、倒すためにみんなで動いてきた。
なんでヴォルフガングがおばあちゃんなの……おばあちゃんを殺さなきゃいけないの……嫌だよ、そんなの。
……諦めちゃダメ!! 『身体を借りている状態だ』ということは、どうにか離れさせることが出来るはず!!
「そう考えているところに言うのは悪いと思うけど、君の祖母は……君を殺そうとしている。しかも絶望のどん底に落として……君の祖母は君のことを大切だと言ってたでしょ、それってそういう意味なんだ。だからファジリスが心配なんだ、早く助けに行きたい。どうか無事でいてほしい……私の願いは…………一人でぶつぶつとすまない」
「その気持ち分かります。私にも大切な人がいるんです……今からテシウスさんの気分が悪くなるかもしれない話をします。私はここに来る前にファジリスさんに殺されました。その時……会えなくなるのは嫌だって思ってちょっと恨んでしまいました、ごめんなさい!!」
「私たちはそういう裏の仕事をしている、だから恨まれるのは仕方ないよ。今生きているってことは蘇生魔法を使える人がいたのですね。こう言っていいのか分からないですけど、良かったですね」
私とテシウスさんはその後数十分話した。
「ルミエル、朗報だ。ファジリスが君の仲間たちとここに向かってきている。まだ距離はだいぶ遠いがな」
「そっか……来てくれるんだ。ありがとうテシウス」
「教えるのは当然だろ、ファジリスがいるんだからな」
ギィィィィ
「とっとと死ねえよテシ兄」
「ペディのやつ相変わらずだな」
「どうしたの、テシウス?」
「あぁ、いやなんでもない。もしファジーがここ(エデンの園)を潰す判断をすれば協力する。しなければ……すまないが、敵になる」
「それは仕方ないよ。大切な人の判断したことを信じて一緒に動く……羨ましいよ、私もスミカともっと……」
「きっとなれるさ。分かってるのは思うけど、後悔しないように行動すること」
「ありがとう」
「それとルミエル強くなりたいなら……」
スミカたちが来るまでテシウスが強くなる方法を教えてくれた。
そして場面はスミカたちに切り替わる。
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