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援軍

 魔物の襲撃にあい、ニラダは補助魔法をあらかじめかけている事もあり、すぐに応戦する。


 その際にジャンはまずケンのパーティーに魔物の襲撃の報告を行い、ケンのパーティーのリーダーは救出か移動かの選択を悩むが、ニラダとジャン以外のメンバーについて尋ねる。


「そういやあ、他の奴らはどうしたんだ?馬車も付いてきている様子はないな」

「他の奴らはニラダを魔法で援護している、俺も報告を終えたらニラダを助けにいくつもりだ」

「そうか、よしそれなら……」


 ケンのパーティーのリーダーは決断をしたようでその内容をジャンとパーティーメンバーに告げる。


「とりあえず、こちらからもメンバーを送る。ケン!その小僧を手伝いに行ってやれ、残りの奴らは俺も含め馬車に残り他の魔物の襲撃に備えるぞ」

「ぼ、僕が行くの?」

「お前の気功スキルなら援護にもってこいだ、俺達はなんとしても食料を守らにゃいけねえからな」

「分かった、助けに行ってくるよ、ジャン、その子は後方で足止めしてるんだね」

「ああ、頼んだぞケン、あんたらも感謝するぜ」


 その言葉を受け、ケンは馬車を降り、ニラダが魔物を食い止めている後方に向かっていく。


 そしてケン達の馬車は再び食料運搬用の馬車を守りながら移動を開始し、ジャンも他のパーティーへの報告を再開する。


 その頃ニラダはミヨモとティアの魔法援護を受けながら後方の魔物を食い止めているが、疲労は隠せないでいた。


「はあ、はあ……くそ、一団を倒したと思ったらまた更に一団が現れてくる。人間が山を通った事がばれたのか」

「ニラダ君、大丈夫⁉」

「ニラダ、もう少し馬車の近くにこれない?そこでは治癒魔法の受ける効果は薄いはずよ」


 ティアの治癒魔法は距離があれば魔法自体の効果が薄くなり、もちろん距離が遠すぎると魔法そのものを受け付けなくなってしまう。


「ダメだ!乱戦になると御者さんも巻き込みかねない、俺が身をはってでも馬車には近づかせない!」

「でもこのままじゃ……」

「それならニラダ君も逃げようよ、私が魔法で足止めをするから前と合流しよう」


 ティアの治癒魔法が薄い距離にいるうえ、ニラダ自身の体力も限界近かった為、前との合流も視野に入れる方針を考えるニラダであったが、そこに謎のエネルギー体が飛んできて、魔物を一体消滅させる!


「今のはミヨモの魔法?いや……」


 ニラダが目にした先にはなんとケンがいて、ニラダに呼びかける。


「大丈夫かいニラダ君?僕も戦うよ」


 ケンが戦線に加わる事を宣言する。果たして魔物を食い止める事ができるのか?

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