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パーティーにとって

 ティアの先輩聖職者でありリンダが所属するパーティーに『食糧配給』のクエストへの協力の為の交渉をニラダ達はリンダ相手にするが、報酬やクエストの期間が気になり、中々良い返事をもらえないでいた。


 そんな中、ニラダはティアが話した案とは別の案を提示する為にリンダとの交渉を始める。


「あなた方がこのクエストを受けるつもりであれば俺達が交渉するまでもなくとっくに受けているはずです、だから受けてもらうにはそれ相応の見返りは必要でしょう」

「その言い草だとあんたは何かを用意しているみたいだね」

「まずはこれを見ていただけますか?」

「これは魔法石?それも結構たくさん、どうやってこんな貴重な物を?」


 ニラダがマジックボックスから取り出した魔法石は以前に素材としてドットに渡し、新たな装備品を作ってもらったが、リンダの発言によるとどうも貴重な物のようだ。


 リンダの疑問の言葉を聞いて、一瞬ジャンの方を目にしてから再度リンダに声をかける。


「まあ、それは秘密として、これを元に1人につき1つづ俺の知り合いの鍛冶師に装備品を作ってもらいます」

「ねえ、あんたさ、そこまでしてそのクエストを達成してもあんたらは結構な損をするんだよ。そうまでしてそのクエストに挑む理由って何?」

「まあ、俺としては今のパーティーを最強のパーティーにしたいという気持ちがありますし、その為にはクエストをこなし、ランクを上げるのは必須なんですよ……それに……」


 ニラダは個人的にクエストに挑む理由を話した後に一瞬ミヨモの方を見てから再度、リンダに向けて話し始める。


「俺は未熟者ではありますが、パーティーのリーダーになりました。頼りはないかもしれないが、できる限りパーティーメンバーの意見や意志は尊重したいと思っています、もちろんパーティーにとってマイナスになることははっきりダメだと言いますが」

「それじゃああんたはこのクエストがパーティーにとってプラスになると思っているの?」

「そうですね、災害に対し冒険者は何ができるのかを改めて知るという意味ではプラスになると思っています」

「はあ、ちょっと待ってて……」


 そう言ってリンダは席を外し、他のパーティーメンバーと話し、話を終えるとニラダの元に戻って来て、話し合いの結果を告げる。


「もしクエスト中に魔物が襲ってきたらその魔石やドロップアイテムをあたし達がもらう、魔物と遭遇しなかったらあんたの魔法石をもらう、これでいいかな?」

「え、それじゃあ?」

「受けるよ、ティアの先輩、そして冒険者の先輩としての意地を見せてやるよ」


 そう言ってリンダと仲間達は酒場をあとにしギルドへと向かっていった。

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