食糧配給
ニラダ達『成長しあう者達』はパーティーランクがCランクになった事で、他の街でのクエストも受けられるようになり、リストを確認するとミヨモの提案で洪水被害にあった村に『食糧配給』をするクエストを受ける事になった。
「じゃあ、このクエストを受ける事を受付に言ってくるよ」
「うん、お願いね」
ミヨモの言葉を受けてニラダは受付に行き、『食糧配給』のクエストを受ける事を伝えに行く。
「すいません、このビクの村への食糧配給のクエストを受けたいんですが」
「ビクの村への食糧配給ですね、承知しました」
受付嬢がニラダ達がクエストを受ける事を了承すると次にニラダにパーティーメンバーを呼ぶように懇願する。
「あの、他のパーティーメンバーの方も呼んでいただけるでしょうか、このクエストについての説明をしますので」
「はい、分かりました」
受付嬢の懇願を聞いてニラダはパーティーメンバーを呼びに戻る。
「みんな、ちょっと受付まで来てもらっていいか、このクエストについての説明があるから」
「うん、分かった」
「今までと少し違うし、そういう説明はしっかり聞いておいた方が良さそうね」
「おお」
仲間達もニラダの呼びかけに応じて受付に行くと、ニラダが受付嬢に声をかける。
「すいません。『成長しあう者達』全員呼んできました」
「はい、みなさんお揃いでしたら、今回のクエストについて説明させていただきます」
今までのクエストと少し違うという事でニラダもどんな説明があるのかと少しだけ息をのんだ。
「今回皆さんは『食糧配給』というクエストを受けてくださいました。まずはギルドの食堂に必要数の食材を伝えておきます、そして馬車を手配しますので、皆さんはまた明日、こちらへおこしください」
「あ、分かりました」
「馬車は食料運搬用と皆さんの移動用を用意していますので、お願いします」
「馬車での移動か……」
受付嬢の説明を終えてニラダ達はテーブルに座って一息つく。
「馬車か、この街に来る時以来かな」
「そういえばミヨモは他の街から来たんだったわね」
「そうなのよ、確かその時の馬車はいろんな人と乗り合いだった」
「そうなのね」
ミヨモとティアが馬車について話しているとニラダは馬車での移動が気になり、デデンからデグまでの移動距離等を地図で確認していた。
「ん⁉」
「どうしたんだニラダ?」
「みんな、このクエストも他のクエストの例にもれず危険なクエストかもしれない」
ニラダが地図を見て気付いたこのクエストの危険性とは?