パーティー勧誘
緊急クエストの達成に協力してくれた報酬をジャンに支払う為に、ニラダ達は盗賊ギルドを訪れ、ジャンと相対する。ここでニラダは報酬の支払いとは別にジャンに話がある事を告げる。その話を聞いてジャンは驚き、ミヨモ達も同様の反応を示す。
「俺に話!しかも報酬の話とは別でか⁉」
「何、ニラダ君ジャンさんにお話があったの?」
「どういう事?」
「とりあえずまずは報酬だけど、これくらいでどうかな」
そう言ってニラダはマジックボックスから大量の銀貨を出して、ジャンに支払うが、それについてジャンが驚き、どういう事か言及する。
「お、おいちょっと待てよ!何だってんだ、この大量の銀貨は?俺ここまで請求していないぞ!」
「あの後、他の冒険者からもらった魔石を換金してその大部分をあなたへの報酬にしようと思ってね」
「そういう事か、俺はあんたらがクエストで得た報酬の3割をもらおうと話していたが、その分も加えるとそうなるってわけか」
「そういう事だね、そして今日ここに来たのはもう1つ理由がある」
ニラダは報酬支払いとは別でジャンへの用件を伝えるが、その内容にまたしてもジャンは驚きを隠せないでいた。
「ジャンさん、二重登録が可能ならあなたも冒険者ギルドに登録して俺達のパーティーに加わって欲しい」
「ちょっと待てよ、俺が冒険者!なんでだよ?」
「理由としてはジャンさんのユニークスキルのお宝探索がダンジョンを探索する時に役に立ちそうだからというのがあるし、それにあなたの身のこなしを見ていると前衛でも通用すると思う。現状、俺が1人で前衛をしながら彼女達を守っているから、もう1人いてくれるのはありがたい」
「そうはいっても俺のスキルは戦い向けじゃねえし、もっと強い奴を誘うのがいいんじゃねえのか」
ニラダはジャンの所持するユニークスキルがダンジョンでの探索に役立ち身のこなしが前衛向けと感じ、勧誘するがどこかジャンは乗り切れないでいた。
「盗賊団を1人で壊滅できるあなたが弱いとは思えないし、それに現状新人がリーダーをやっているパーティーに入りたいという冒険者もいないからね」
「だがよ……」
「行って来いよジャン」
「おやっさん⁉」
ジャンがおやっさんと呼ぶ男が渋るジャンに対し加入を勧めるとジャンは驚き、更に話を続ける。
「お前の腕っぷしは俺達がよく知っている。ここで培った盗賊専門の盗賊としての腕はきっと冒険者でも活かせると思うぜ」
「盗賊の仕事はいいのか?」
「まあ、盗賊もなかなか現れるものじゃねえし、お前もそろそろ別の仕事で稼いでこい、今までお前くらいだったからな盗賊の仕事しかしていなかったのは」
「しゃあねえ、このギルドをつぶさねえためにちょっと稼いでくりゃあ、おい早く行こうぜ」
ジャンが了承するとニラダ達はミヨモ達にも確認を取る。
「2人共いいか?」
「私はいいよ」
「頼りになりそうだし、大歓迎ね」
ミヨモ達もジャンを受け入れ、登録の為に冒険者ギルドへと向かう事となる。