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ミヨモはガンディーからの助言を受け、魔王デスマスターにもっとも有効な魔法であるホーリーバーストを放つ決意をする。ミヨモの決意を見たニラダはミヨモが魔法の準備ができるまで守り抜くことを宣言する。
「頼むミヨモ!魔法を成功させてくれ、絶対にそれまで守りながら耐え抜いてみせる!」
「ニラダ君、分かった、だけどこの魔法は魔力をかなりステッキに集中させないといけないから」
「大丈夫だ!いくぞデスマスター!プロテクト!」
ニラダはデスマスターに相対しプロテクトの魔法を自らにかけてデスマスターに突撃していく。その様子をあざ笑いながらデスマスターは接近戦で迎撃する。
「おろかな、防御魔法を使ったところで我の一撃は耐えられまい!」
剣で斬りかかろうとするニラダだがデスマスターに防がれデスマスターの爪に身体を貫かれる。
「ぐはっ!」
「ニラダ君!」
「大丈夫!」
ニラダの身体はデスマスターの爪で貫かれ、ミヨモは驚愕するがすぐさまティアが声をかけ治癒魔法をニラダにかける。
「ニラダ、大丈夫?」
「ああ、助かった!これでまた戦える」
「でも気を付けて、私なら致命傷は治癒できるけど、即死級のダメージまではどうしようもないわ」
「分かっている、だからプロテクトの魔法で防御を強くしたんだ」
ニラダはダメージを受けたもののティアの治癒魔法により回復し、再び戦闘が可能なレベルまで体力を戻すことに成功した。
「くう、だがいかに防御魔法を使おうとも我がその気になれば貴様なんぞ消し炭にできるのだぞ」
「やってみろよ、俺をそうすればミヨモを守る手段はこっちにはないからな」
ニラダはまるでデスマスターを挑発するような発言をして、それを聞いたデスマスターも何か作戦があるのではといぶしかるが、すぐに攻撃に転じる事に考えを固める。
「貴様が何を企んでいるかは知らんが、我が魔法にて消し炭となるがよい!」
「こい……」
「あの世で公開しろ!デスファイア!」
「マジックバリア」
「無駄だーーー!」
デスマスターはデスファイアという暗黒のオーラを纏う炎を放ち、その炎はニラダを包み込んでしまう。
炎が消えるとそこにニラダの存在はなくデスマスターは高笑いをする。
「ハハハ。ハーハッハハ!何かを企んでいたようだが無駄に終わったな!全員まとめて葬ってもよかったが、分散し威力が落ちてしまえば防がれたかもしれぬからな」
「そうか、じゃあ賭けは俺達の勝ちだな」
「何⁉」
デスマスターの後方から言葉を発したのはジャンであり、その隣にはなんとニラダがいた。




