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オリハルコン抜きの剣

 ニラダの補助魔法で強化したホープブレードの剣戟、そして気功スキルによる気弾攻撃も魔王デスマスターにほとんどダメージを与えられないでいた。そしてホープブレードはオリハルコンを使っていない事で勇者の剣より大きく劣ることを指摘され、ニラダは愕然としていた。


「まさか補助魔法で剣の威力を補強しても勇者の剣に届かないなんて」

「ふん、勇者の剣はオリハルコンを使ったことでその威力を発揮することができ、アビジンにより強力な魔力を帯びることができたが、貴様の補助魔法では我を倒すだけの威力は補強できなかったようだな」

「そんな……いったいどうすれば……」

「これで分かったであろう、我を倒すことができる唯一の存在は勇者、そして勇者は今この時には存在しない。もはや我を脅かすことはできまい!」


 勇者の剣に大きく劣るホープブレードではそして勇者なしの人間達ではもはや自らを滅することはできないと豪語するデスマスターにニラダは打ちひしがれ言葉が出ず、他の仲間も愕然としていた。


「……勇者の剣じゃないとデスマスターは倒せないの……ウソでしょ!」

「ニラダの補助魔法による強化でもダメなんて……」

「俺達、どうやって戦えばいいんだよ!」


 ミヨモ達もデスマスターへの対抗手段が見当たらないことに愕然とし、抵抗の意思が少しづつだが失われてきつつあった。


「どうした?さっきまでの威勢は、だがこれが当然だがな、せめて我に抗った勇気をたたえ苦しまずに死なせてやろう、ありがたく思うがよい!」

「そうはいくか……」

「何⁉」

「このまま、何もせずにお前に倒されるか、そう言ったんだ!」


 ホープブレードが通じず、一度は戦意を失ったかに見えたニラダであったが、デスマスターの言葉に反論していく。


「ふん、抵抗すれば苦しむだけであるというのに、それが分からぬか!」

「確かにそうかもしれない、だけどここで俺達が抗わなければ多くの人がお前に殺される!何が何でもお前を倒して見せる!」

「その手段はないと分かったはずだ!どうあってもお前達に勝ち目はない!」

「それはどうかな?」


 ニラダがデスマスターと激論をしている中ガンディーも口を出すとそれについてデスマスターが問いかける。


「確かに一撃ではお前にダメージを与えられはしなかった、だがなお前を倒す方法はまだねえわけじゃねえ」

「何だと⁉」

「ミヨモ!」

「えっ⁉私⁉」

「今度は魔法を相殺するんじゃなくてあいつに魔法をぶつけろ!」


 勝利の鍵はミヨモが握っているのか?

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