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強かった魔力

 遂に魔王軍幹部である闇魔導士ズームと相対したニラダ達であったが、物理障壁の魔法でニラダやジャンの攻撃は防がれるが、そのわずかな隙を突きミヨモが魔法の詠唱を行い、ズームに対し放とうとしていた。


「我に宿りし光の力よ、彼の者の闇を消し去り給え!ホーリーバースト!」


 ミヨモは光の魔法をズームに対して放つがそれに対しズームは魔力障壁を張った。


「ふん、この程度の魔法で我を!な、なに?魔力障壁を魔法が覆っていく!」

「闇属性のあなたに光の魔法はかなり有効だからね、その魔力障壁も闇属性の魔法でしょう」

「だ、だが生半可な光魔法では我を……」

「甘いな魔王軍幹部さんよ、このお嬢ちゃんは少なくとも攻撃魔法に関しちゃあこの俺すら凌ぐ魔法使いだ」


 自称世界一の魔法使いを普段は豪語しながらもミヨモは攻撃魔法に関していえば自分すらも凌ぐと言い放ち、ズームが驚愕する。


「そ、そのような事があるはずは……」

「そうとも言えねえさ、俺以上の魔力量を誇ってはいるが、補助魔法等は上手く習得できなかった彼女が、俺達がいろんな魔法を上手く習得しようとするなか、愚直に攻撃魔法の強化、習得に努めていたんだ、そりゃあさすがの俺も……ララもかなわねえって言ってた」

「ララちゃんが……」


 ララが自分の事を褒めていた事に感激しながらもズームに放った魔法はズームを覆い、大打撃を与えていた。


「ぐわあああああ!」


 ズームは光に覆われるとその場で倒れこみ、ミヨモはガンディーに尋ねていた。


「あの、ガンディーさん、ララちゃんは前にも頼りになるかもとは言っていたけど……その……」

「ララがお嬢ちゃん、いやミヨモが自分の後追いにも関わらず、ミヨモをすげえって思っていたのは、本当は昔からなんだぜ」

「そうなんですか?」

「お前らのお師匠さんは気付いていたんだ、少なくとも魔力量なら本当はミヨモの方がずっと上な事にな」

「でも、そんな事私聞いていません」

「そりゃあ、それを知ればお師匠さんを最悪ララすら抑えてでも無理やりついてこられるからな、言っちゃあ何だがお師匠さんもララも攻撃魔法だけのミヨモは不安だったんだろう長い冒険者生活にはな」

「でも修行をこなしてからは認めてもらってお師匠様から旅立ちの許可はもらいましたけど」

「それは魔法の習得や強化がなされたからな、村に置いとくだけじゃもったいねえって思ったんだろう」

「魔力量、ずっとララちゃんより強かったんだ……私……」


 嬉しさと戸惑いがある中、ズームは再び起き上がりニラダ達に言い放つ。


「はあ、はあ、我を仕留めきれなかったお前達の負けだ!」


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