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薬草採取の理由

 新たにパーティーを組んだニラダとミヨモの前にヒーラーをしている冒険者ティアが現れ、自らをパーティーに加えてはどうかと提案する。ティアの話を聞き、パーティー加入を承諾したニラダはまずギルドに戻り、加入申請をする事とした。


 受付に早速行き、ティアに加入希望の書類、そしてニラダがそれを承認するサインをする事でティアの『成長しあう者達』への加入は成立した。


「これからは仲間だね、よろしくティアさん」

「ええ、こちらこそよろしく頼むわミヨモ」

「うん」


 ティアとミヨモが会話をしている中ニラダがティアに話しかける。


「ティア、君が入った事で俺達も戦いやすくなるとは思うし、少し報酬の高めのクエストにも挑んでみようか?」

「それもいいけど、実は挑みたいクエストがあるから、それに挑戦したいんだけどいいかしら?」

「いいけど、どんなクエスト内容か教えてもらってもいいか?」

「薬草採取よ?」


 ティアは薬草採取のクエストをしたいと申し出て、ニラダは再度尋ね返す。


「薬草採取?ポーションや治療薬の原料になっている?」

「ええ、採取した薬草の数に応じて薬草の報酬の数が変わるし、多く欲しいの」

「そこまでして、薬草が欲しい理由って何なの?ポーションとかを買うじゃダメなの?」


 ポーションを購入する等の方法があるにも拘わらず、何故薬草を多く求めるかミヨモが尋ねるとティアは少し物憂げな表情で語り始める。


「私が小さい頃にお世話になっていた孤児院にその薬草で作った治療薬を送りたいのよ」

「孤児院?だけど孤児院にはティアのように治癒魔法を使える聖職者がいるはずだが」

「それは教会所属の孤児院の話で、私がいたところは個人でやっていて日々の食事を賄うので精一杯なのよ」

「そうだったのか、しかし現に君は教会に所属し、修行の為に冒険者もやっているじゃないか」


 かつてティアがいた孤児院は教会所属ではないと話すが、ティア自身が教会に所属している事に言及するとその理由を話す。


「ある日、教会の依頼を受けたスキル鑑定士の人が来てね、私のユニークスキルや魔法の才能を鑑定して教会に誘われたわ」

「院長さんは行く事を勧めてくれたわ、巣立って立派になるのが一番だからって」

「じゃあティアさんは恩返しをしたくてそのクエストに挑みたいって事?」

「そうね、送り出してくれて以来、立ち寄る事もなかったし、聖職者としてはまだ修行中の身だけど冒険者としてなにかできればと思ってね」


 ティアの話を聞いて考えこむ姿勢になったニラダだが、すぐにミヨモが呼びかける。


「ニラダ君、このクエスト一緒に受けようよ!ティアさんや孤児院にいる子供達の為にさ!」

「……分かった、ティア、今回は君の希望を優先するよ」

「ありがとう、ニラダ、ミヨモ」


 ティアの希望を受け入れたニラダとミヨモ、初の3人クエストの行方はいかに?

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