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ヒーラー冒険者

 ニラダとミヨモは2人でパーティーを組むことを決め、申請書類に必要事項を記入し受付に持っていき、受付嬢が確認して、それが終えると2人に声をかける。


「申請、承りました、これからお2人は『成長しあう者達』というパーティー名で活動していただきます」

「ありがとうございます」


 ニラダとミヨモは受付嬢に礼の言葉を述べるとギルドをあとにし、歩きながら話をする。


「良かった、これから2人で頑張ろうね」

「ああ、活動をしている間にパーティー加入を希望する人も現れてくれるといいんだけどな」

「ニラダ君、これからどういう人が入って欲しいの?」

「そうだな、まずは治癒魔法を使える人かな、俺やミヨモができる限り攻撃に専念できるように」

「ヒーラーって言われてる人達だよね、治癒魔法ってなんとなくだけど教会の人が使っている印象だよね」


 ミヨモの言うように、元来治癒魔法の使い手は教会で聖職者として働く事が多いが、ニラダはそんな中でも冒険者を志す治癒魔法の使い手がいる事も話す。


「そうは言っても、街にある教会に常駐できる人数は限られる。冒険者の手助けをする事を志す治癒魔法の使い手、ヒーラーがいるのも確かだ」

「どういう人が志すんですか?」

「いろんなタイプがいるが、まずは修行の為だ、冒険者としてあえて危険な地に行き、己を高める事が目的の者、そして単純に稼ぎたい者だ、教会の給金はそれほど高くなく、実家が貴族の者でないととても生活は厳しいからな」

「私達のパーティーにはどんな人がいいんだろう?」


 治癒魔法の使い手で冒険者を志すタイプは複数いるがミヨモはどういう人が自分達のパーティーに向いているか疑問を口にすると突如2人に対して何者かが声をかける。


「ねえ、あなた達もしかしてヒーラーを探している?」

「あなたは?」

「ごめんなさい、紹介が遅れたわね、私はティア、ヒーラーの冒険者よ」

「俺はニラダ、魔法使いだ」

「私はミヨモです、同じく魔法使いです」


 ティアと名乗るヒーラーの冒険者とニラダ達は互いに自己紹介を行い、ティアが2人について言及する。


「あなた達が補助魔法を自分にかけて戦う魔法使いと、攻撃魔法のみを扱う魔法使いね」

「俺達の事を知っているのか?」

「特にあなた、ニラダ殿は武闘家でもなく、武道のスキルもなしに魔物を素手で倒したんだから噂は広がるわよ」

「だけど、それでも俺にパーティー加入の誘いはなかったけどな、まあ肉体能力はすぐに打ち止めになると判断されたんだろうな」

「本当にそれだけだと思う?」


 ティアがニラダに投げかけた疑問、その意味とは?

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