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師匠との再会

 テリソンとの戦いから命からがら生き延びていたカイルと合流し、喜びを隠せないでいたニラダ達であったが、同時に手応えがあったと主張したテリソンの話ともかみ合わず、疑問をカイルに投げかけるとアイテムによる死の偽装に成功しており、それにより命を取り留めていたが想像以上にダメージを受け、そのダメージの治療をある者達にされたと言い、その本人がニラダ達の前に現れるとニラダは驚愕する。


「ふう、こんなタイミングで姿を現す事になるとはな……」

「し、……師匠!どうして!」

「うっせえなバカ弟子が!いきなり大声を出すな!」

「どうして師匠が、ここに、それにどうしてカイルさんを助けて?いや、そもそも……」


 ニラダは突如目の前に現れたカイルを助けたという男が自分の師匠と言うガンディーという事実に驚きを隠せず次から次へと言葉が出てくるが、それを煩わしく思ったガンディーはニラダを突如羽交い絞めにした。


「うるせえ!少し黙りやがれ!てめえが騒ぐと説明できることもできねえだろうが!」

「痛い!痛い!ギブ!ギブ!」

「情けねえ奴だな、こんな程度で騒ぎ立てるなんてよ」


 ニラダを羽交い絞めし、ニラダが叫んで抵抗できないさまを見て。ミヨモ達も驚きを隠せないでいた。


「何だ今のは?」

「ニラダがいくら今は補助魔法を使っていないからってニラダを完全に抑え込むなんて……」

「あの人がニラダ君のお師匠様……」


 ニラダのパーティーメンバーの視線に気づいたガンディーはミヨモ達の方を向き、とりあえず自己紹介をする。


「おお、お前らがニラダのパーティーメンバーか、俺はガンディーっていって、まあこいつの師匠だな」

「あ、初めまして私は魔法使いのミヨモです、ニラダ君にはいつもお世話になっています」

「初めまして、私はヒーラーのティアと申します。ニラダ殿のお力添えがあり、どうにか冒険者をさせていただいてます」

「俺はジャン、元盗賊専門の盗賊だったが、今はシーフをしていますです」


 仲間達の自己紹介も聞いてガンディーは今度はニラダの方を向き直す。


「ニラダ、話には聞いてはいたが、お前が冒険者パーティーのリーダーをやっているとはな、やるじゃねえか」

「……まあ、そうするしかなかったからね……」

「それで、ニラダ、どっち狙いだ?」

「はあ⁉何言ってんだよ?」

「決まってんだろう、あの女の子がどっち狙いかって聞いてんだよ、あ、それともあのジャンって奴とどっちかはできてんのか?」


 突如ニラダに対し、ミヨモとティアのどっちを狙っているのかという色恋話を振り、ニラダが戸惑っている中、遠巻きに聞いているミヨモ達も動揺していた。


「テ、ティアさん、あの人何聞いているの⁉」

「わ、私に聞かないでよ!」

「……」


 師匠であるガンディーとの再会はとても慌ただしいものとなっていったのだ。

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