相談したい事
合同クエストという形ではあるが、初のパーティークエストを達成したニラダとミヨモは嬉しさのあまりお互いの手を強く合わせた。
達成報酬に加え魔石を換金し、まずは報酬の取り分についてニラダが話した。
「とりあえず報酬の取り分だけど半分づつでどうかな?お互い今後の活動もあるし、またどこかで会う事もあるかもしれないから」
「ちょっと待ってニラダ君、報酬の取り分の前に相談したい事があるんだけど」
「そう言えばそんな事をダンジョンで言っていたな。何かな?」
「あのさ、このまま私達でパーティーを組んでみない?」
ニラダの報酬の取り分の話を遮り、ミヨモは自分達でパーティーを組んでみないかとニラダに相談を持ち掛ける。
「俺達でパーティー?」
「うん……、こうやって一緒にクエストができたんだし、きっとこれからもできるわ」
「だけど。俺もミヨモも魔法使いで、いわば後衛同士だし、せめて前衛の人とパーティーをどちらかが組んでからでもいいじゃないか」
「それならニラダ君が前衛をやりながら私達でパーティーを組んでクエストをしながらそういう人を探すのもありだと思う」
お互いに主張が微妙に食い違うが、ミヨモは更にニラダに対して自分の考えを話す。
「それにね、なんていうのかなニラダ君と一緒だといろいろ安心してクエストができるっていうのかな」
「安心って……、まだ俺達はランクが低いし、大したクエストを受けられないだけだよ。そもそも俺だって今のままじゃいつまでもこんな調子でできるかどうか……」
「だから一緒に頑張っていくんじゃない、お互いの足りないところをカバーしあって!」
「ミヨモ……」
ミヨモの強い主張に少しづつニラダも揺らいでいき、更にミヨモは畳みかけるように発言をする。
「私はニラダ君のように補助魔法は使えないし、強くもないし、あんなにいろんな事は知らないからすごく助かるの」
「……」
「だけどニラダ君は私のように攻撃魔法は使えないし、魔力量だってそんなに多くはない、それにニラダ君が前線で頑張ってくれるから私は安心して魔法に集中できるし、2人で強くなってからでも新しいパーティーに加入してもいいんじゃない」
「ふう、そうだな、今のジョブで判断するんじゃなく、今自分が何ができるかで判断するのが正解だな」
ニラダはそう言い、改めてミヨモの提案に返答をする。
「とりあえずだけど、2人でパーティーを組もう、よろしくミヨモ」
「うん、こちらこそよろしくね、ニラダ君」
ニラダとミヨモのパーティーがここに結成される。この先2人はどういうクエストに挑むのか?