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先制攻撃

街道の調査中に魔物の魔力を察したミヨモが呼びかけニラダ達がその方向を目にするとニラダが一同に更に声をかける。


「みんな、むこうはまだ俺達に気付いていないし今のうちに近くの草むらに隠れるんだ」


 とりあえず一旦、近くにある草むらに隠れるニラダ達は魔物の移動先を見て彼らの侵攻目標に気付く。


「見てみんな、あの魔物達ハイバイの方向に向かっているわ」

「あの魔物バットやガーゴイルが多いが、肝心のヴァンパイアロードが見えねえな」

「テリソンか、別の部隊を率いて違うルートを使っているか、後詰でこの道を使っているか……」

「ニラダ君、どうしよう?テリソンはいなさそうだけど」


 ニラダは調査に乗じ敵の戦力を叩く計画を考えてはいたが、現在目にしている魔物の集団にテリソンらしき魔物は存在しない事を確認し、仲間に指示を出す。


「ティア、ジャン、奴らに気付かれないように街に戻って防衛体制を強化するようにガード兵団長に伝えてくれ」

「ニラダ?」

「おい、確か敵の戦力を叩くのが目的じゃなかったのか?調査を志願したのは」

「テリソンと遭遇していたらそうしていた、だがカイルさんの言うように後詰にしろ別ルートからの進軍にしろ、もう俺達だけで本隊を叩くのは難しい」


 ニラダは現在遭遇した魔物をテリソンが指揮していない事を確認すると方針を転換し、ガードの指示に合った通りティアとジャンを報告に戻す事とする。


「じゃあ私達はこのまま様子を見るの」

「いや、こいつらは俺達で叩く」

「え⁉どうして?」

「やっぱり俺はできる限り街での戦いは避けたい、だけどもう本隊相手には防衛に徹するしかないからせめてこいつらだけでもこの場で打ち倒す」

「ニラダ君……分かった、私も頑張るよ」


 ニラダのこの場で現在進行中の部隊だけでも倒すという発言にミヨモは同調し、カイルもニラダに声をかける。


「全く、君という奴は……」

「カイルさん、反対でしたらティア達と一緒に……」

「いや、今は君がリーダーだしね、それに私達だけの戦闘なら後で言い訳も立つだろうし」


 ニラダの考えに呆れつつもカイルも戦闘に加わる事を告げ、ニラダがお礼の言葉を述べる。


「ありがとうございますカイルさん」

「さあ、早く行こうか、私達が前線に出ればティア君達も気付かれずにこの場から離脱できるだろう」

「はい、それじゃあ行くぞ!」

「うん!」


 ミヨモはそう言うと早速魔法で攻撃して魔物の集団の一部に致命傷を負わせることに成功する。


 突然の攻撃に魔物が混乱しているとニラダとカイルが切り込んでいき、斬り倒す事に成功する。

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