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兵団長

 高位の魔物についての話をしている中、ニラダ達を乗せた馬車はようやくハイバイの街へと到着し、ギルド職員が到着した事をニラダ達に伝える。


「皆様、ハイバイの街へと到着しましたので、馬車より降りる準備をお願いします」

「ようやく着いたか」

「どうなっているのかなこの街は?」

「とりあえず降りましょう」


 ニラダ達は馬車を降りて街を見渡すとその光景に驚きを隠せないでいた。


「街に人がいない……」

「え?もしかして私達ここに来るのが遅かったの?」

「でも街が荒らされた形跡はないし」

「おい見ろよ、誰かこっちに来るぜ」


 ニラダ達が街に人が誰もいない状態に戸惑っているとある人物の接近に気付き、その人物がギルド職員に声をかけていた。


「貴殿らがデデンの街よりこられた冒険者か?」

「はい、私はデデンの冒険者ギルド職員のアービットにございます、あちらの方々が当ギルドに所属してくださっている冒険者の皆様にございます」

「そうであるか、私は領主軍第3兵団長ガードだ、領主様の命でこの街の防衛を指揮している」


 ギルド職員アービット、領主軍第3兵団長ガードがそれぞれ自己紹介をするとニラダがガードに尋ねる。


「あの兵団長殿、自分は冒険者パーティー『成長しあう者達』リーダーニラダと申します」

「何?その若さで冒険者パーティーのリーダーとな!」

「ああ、いえ、それには……ではなくてこの街に人がいないようですが一体どうなっているんですか」

「住民はとりあえずあの教会に避難させており、教会で収容できない人数は領主様の館や、工業や商業ギルドのような大きな建物を一時的に貸してもらう事としているのだ」


 住人が教会や領主の館等に避難させている事をガードが説明するとガードが作戦用の拠点としている建物に案内する事をニラダ達に告げる。


「さて、このようなところで立ち話もなんだし、我々の作戦拠点に案内しよう」


 ガードがそう告げ、ガードの部下の兵達も案内に加わるとニラダ達はガード達の案内で作戦拠点の建物に案内する。


「これは工業ギルド?」

「うむ、避難住民もいるが他に作戦拠点として適した建物がなかったものでな」


 ニラダ達が工業ギルドに入ると確かにそこには避難住民もおり、ミヨモがニラダに声をかける。


「ニラダ君、小さい子供達も多いね」

「ああ」

「まだ魔物は来ていないのにすごく怖そう、私達が頑張って元の生活を取り戻してあげよう」

「ああ、まずはその為に作戦をどう立てるかだな」


 魔物の脅威におびえる人達、その住民を守る為ニラダ達はより強く決意する。

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