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装備を受け取ると

ドットの工房にどうにか到着したミヨモとジャンの前に姿を現したドットは2人の息を切らしている様子に驚き尋ねている。


「おお、ミヨモちゃん、それにジャン!?どうしたんだ、2人共息を切らして?それにニラダとティアちゃんはどうしたんだ?」

「悪い旦那、あんまり詳しく説明している暇はないんだ、俺達の装備は?」

「お前達の?あ、ああ、少し待っていてくれ!」

「頼むぜ、あんまり時間がないからよ」


 ジャンは工房に来る途中で急ぎながらも周囲の動きには気を配っており、1台だが既に馬車が動いてるのを確認しており、ギルドが自分達の想定以上に速い動きをしている事を感じとり、思わずドットに早く探すよう促す言葉が出たのだ。


 ここ最近の動きを知らないドットはとにかく早くしまってあるミヨモとジャンの装備を探しており、ようやく見つけ2人に声をかける。


「おい、あったぞ、お前らの装備が!」

「ありがとう、ドットさん、あとは私の魔力と同調させるだけだね」

「それでお前ら、一体何をそんなに急いでいるんだ?」

「これが俺の靴か、ああ、簡単に言うと魔王軍の奴らをぶちのめすクエストを今俺達は受けているんだ」


 ミヨモもジャンも装備を受け取り、ミヨモは魔力と杖を同調させ、ジャンはとりあえず超緊急クエストを受けている事だけを話す。


「魔王軍だと!?一体どうなんているんだ?」

「ごめん、ドットさん、急いで戻らないともしかしたら私達冒険者資格をはく奪されるかもしれないの!」

「何だって、気を付ろよ、それからニラダにもよろしくな」

「ああ、ありがとよ旦那」

「ありがとうドットさん、大事に使うね」


 そう言ってミヨモとジャンは再び走り出し、ニラダ達の元へと向かっていく。その様子を見ながらドットは呟く。


「あいつらが魔王軍と……兄貴、兄貴もこのクエストを受けているならニラダを助けてやってくれよな、あんたらが協力できればもしかしたら……」


 ドットは兄でありニラダの師であるガンディーに、どうかニラダと力を合わせられるようにと願いのようなつぶやきをするとニラダ達の帰還を信じ、再び自らの仕事に戻って行く。


 そしてミヨモとジャンの帰りを待つニラダ達にも運命の時が訪れていた。


「間もなくハイバイ防衛に割り振られている皆様の移動用馬車が到着します、2台到着しますのでギルドに到着次第出発します」


 ギルド職員より間もなくハイバイ行きの馬車が到着する事にニラダは驚き、言葉を発する。


「もう!ミヨモ、ジャン、まだなのか……」

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