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成長しあう者達

 超緊急クエスト「魔王軍幹部討伐」は参加するだけで報酬が支払われ、クエスト中に死亡した場合は遺族にも正規軍所属者同様の恩給が支払われるシステムであったが、クエスト達成か、死亡するまでクエストからは離脱もできない規定があり、その為大広間からの離脱する猶予をカーリソンギルド長が与えるがその事はパーティー内でも意見が割れていた。


「あの悪いけど、私は抜けさせてもらうわ、結婚も控えているし……」

「でも魔王軍の奴が暴れていたんじゃあ結婚生活もへったくれもないだろう」

「よせよ、自分の生活が大事な奴もあるだろうし、ただパーティーからは抜けてくれ」

「うん……ごめんね、今までありがとう」


 間近で様々なパーティーが揃って受ける者、全員が離脱を表明する者、一部の者が抜ける者と様々な様子をニラダ達も感じており、カイルがその様子に対し口にする。


「おそらく、途中リタイアが許されればほとんどの者が参加するはずなのに、これは覚悟を相当問われているね」

「カイルさん……」

「ニラダ君、私は当然挑む、奴らを野放しにするわけにはいかないからな」


 カイルはニラダに対し、クエストに挑む事を表明し、その発言を聞いたニラダは仲間にも自分の考えを話す。


「ミヨモ、ティア、ジャン、俺はこのクエストを受けようと思っている。魔王が復活すれば勇者の居ない今対抗する術はないからね」

「ニラダ君……」

「それにこれ程のクエストだ他のギルドでも発令しているはずだし、師匠も関わっていてもおかしくない」

「ニラダ、あなたもしかして……」

「もし、このクエストが失敗するような事があればこれが師匠に会う最後のチャンスかもしれない、ちょっと不謹慎かもしれないけど師匠に成長した自分を見せられるのはこのチャンスをおいてないような気がするんだ」

「こんな時でも自分の目標を追い求めるんだな……」

「もうあまり時間はないが、一緒に受けるかどうかは慎重に……」

「何言ってんだ!やるぜ」

「ニラダ君、最後まで私もやらせて、魔王なんて復活させないから」

「私もやるわ、悪しきものを放置できないもの」


 全員があっさりクエストを受ける事に対し、拍子抜けするが、すかさず言葉を続ける。


「あのなニラダ、たとえ時間が100万年あったとしても俺達はこのクエストを受ける事を選択するぜ」

「そうだよ、リーダーはニラダ君かもしれないけど、私達みんなで『成長しあう者達』でしょう」

「だからあなたの成長を見守るし、最後まで私達の成長も見守っていて欲しいの」

「みんな……後悔するなよ」


 ニラダの仲間は最後まで命かけの戦いに強く臨む事をここに示すのであった。

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