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売り払った剣

 ゲンはかつてとあるAランク冒険者の依頼でアビジンとオリハルコンを合わせた勇者の剣の再現を試み、剣自体を完成させたものの、それが冒険者の転落とゲンが武器、そして冒険者からの依頼を止めたきっかけになったというのだ。


「勇者の剣か、いくら素材があるとはいえよく作ろうという気になりましたね」

「親方はもともとアビジンやオリハルコンの扱いには慣れていましたし、勇者の剣の作り方も実家にあった書物を子供の頃から読み込んでいて覚えていたようです」

「あれだけ親父のやり方に反発していたくせにてめえの先祖の作った剣の事は読み込むなんて調子がいいとしか思えねえぜ」

「その話も後でしますが、まずは剣の話から聞いていただけますか?」


 ジャンは父親に反発していたゲンが先祖の武器には興味を示していた事を調子がいいと指摘するが、断りを入れながらカールはその話を続ける。


「そっからは僕らも大変でしたよ、親方の腕と記憶が頼りな分、適切にフォローをいれつつ、火の温度とかも慎重に合わせましたからね」

「カールさんは剣自体は完成したとおっしゃっていましたがそれが冒険者の転落となった理由というのは?」

「ええ、最初はその冒険者も剣を手に入れた事で調子づき、強力な魔物も倒し、このままSランクかと思われました、ですがある時……」


 カールは少し沈み気味な表情でその時の話を始める。


「冒険者はその剣を売り払ったんです」

「え?」

「うそ?

「そんな?」

「マジかよ!」


 カールはなんとその冒険者は剣を売り払ったというのだ、その事実に驚いたニラダはカールに疑問をぶつける。


「どうして!そんな勇者の剣を売ってしまうなんて!」

「親方や僕達の耳にもその話が入って来て、親方はその冒険者を問い詰めにいったんです」


 冒険者が自分の作った勇者の剣を売り払ったという事実に怒りが沸いたゲンはギルドやその冒険者が飲んでいるというパブを周り、ようやくその冒険者を見つけ、剣を売り払った事を問い詰める!


「てめえ、俺が作った勇者の剣を売り払ったそうじゃねえか!どういうつもりだ⁉」

「ゲンさん……はん、そもそも俺が手にした剣だから俺がどうしようと自由だろう」

「だがそもそもてめえが勇者の剣を俺に依頼したんだろう、この世で最高の剣を売っちまうなんて罰当たりだぞ」

「最高の剣?はん!うぬぼれてんじゃねえよ!あんな使いづらい剣をよくも押し付けてくれたもんだぜ!」


 使いづらい剣を押し付けられたと主張する冒険者、その真意とは?

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