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口論の末に

 あくまでも冒険者の依頼は受けないと頑なに主張したうえ、ニラダがかつて共に修行したドットとの知り合いというのがかえってゲンの怒りに拍車をかけ、ニラダはこの場はアビジンを剣に加える依頼を断念せざるをえず、工房をあとにした。


 その後もどこへ行くでもなく歩き続けるニラダに対し、街の広場に到着するとジャンがニラダに声をかける。


「ニラダ、そろそろ止まってくれいつまで歩いているつもりだ」

「ん?ああ、そうだな……」

「なあ、ニラダやっぱり俺の言った通りだろう、あのおっさんをただドットの旦那が一方的に嫌っていただけじゃなく、あのおっさんもドットの旦那を嫌っていただろう」

「可能性を考えなかったわけじゃない、だけど……いざ目にすると……」


 ニラダが弱弱しく発言し、最後まで言い切る前にジャンがニラダに対して強く言い放つ。


「だから俺は言ったんだ!お前が嫌な思いをするだけだって!実際にこうなっているじゃないか!お前はおっさん達のいざこざに自分から首を突っ込んじまったんだ!」

「ちょっとジャン!それは言い過ぎよ!」

「なんだよティア、お前だってニラダがあのおっさんの工房に行くのを反対していたじゃないか」

「私は反対していたじゃなく、何かとんでもない事情があるんじゃないかって……」


 ティアはジャンの発言に対し反対していたわけじゃないと言い放つがそれに対し更にジャンは強く言い放つ。


「大体お前もあんな中途半端な言い方じゃなく、もっと強くニラダに言ってやればこんな事にならなかったかもしれねえんだぞ」

「何ですって!私のせいだと言いたいの!」

「俺は2人でしっかり反対すればって言ってるだけだ!」

「自分が押し切れなかったのを私のせいにしているだけじゃない!」


 ティアとジャンがニラダの事で口論しているとその口論を止めるべくミヨモが大声で叫ぶ。


「止めてよ2人共!」

「ミヨモ……」

「……ミヨモ」

「ニラダ君が一番つらいのに、どうして私達がお互いのせいにしなくちゃいけないの?2人が言い争ったらみんな辛いだけだよ」

「……ティア……その……」

「あなたが言いたい事は分かっている、ミヨモの言うように一番つらいニラダの気持ちを私達は考えていなかった、謝るなら一緒にニラダに謝りましょう」

「……ああ……」


 ティアもジャンもお互いの至らない部分があったと反省しそろってニラダに謝罪した。


「悪かったな、ニラダ落ち込んでいる時に言い過ぎた上にみっともねえところを見せちまって」

「私もよ、あなたをかばうようで自分の事しか考えていなかったわ、ごめんなさい」


 2人より謝罪を受けたがニラダの心にはまだ引っ掛かりがあった。このまま剣をあきらめるのか?

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