表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/283

失意のうちに

 ニラダの発言を皮切りに自分の父親、そしてドットの事で怒り狂うゲン、そのゲンの怒りの発言はとどまる事を知らずに、更にニラダに対して放たれる。


「大体、お前はドットから俺を嫌っていたのは聞いていなかったのか⁉もし聞いていたとしたら、何でわざわざ俺の所に来たんだ!そうまでして強い剣が欲しかったのか!」

「……確かにドットおじさんは昔はあなたの才能に嫉妬していたようです、アビジンという扱いの難しい金属をあなたは使いこなせ、いやきっとアビジンに限らずあなたの鍛冶師としての腕前そのものにも……」

「そこまで思っていながらなんで来たんだ!」

「ただ、それでも自分のそういった感情を乗り越えることができたからあなたを俺に紹介したんだと思います」


 ニラダのドットに対する発言に対し、あきれたようにゲンは言葉を返す。


「はん!そんなのあいつの自己満足で俺の事は少しも考えていないじゃねえか、親父といいドットといい、武器を作っているくせに変な理想ばかり追いかけてやがる」

「だけど、それがあなたのお父さんや、おじさんが武器を作る理由になっていたんだと思います、その気持ちを冒険者に託して」

「冒険者か……さっきのてめえ、魔王軍の幹部を倒して人々が安心するようにしたいと言ったが、お前らはただ強い魔物を狩ってランクとやらを上げたいだけだろう!」

「……!」

「ランクが上がれば手に入らない物はない!結局きれいごとを言ってもお前ら冒険者は尽きねえ欲を追い求めているだけだ!」


 ニラダの発言をきれいごととと切り捨て、ニラダや冒険者を非難するような発言に対し、ミヨモがゲンに対し反論の言葉をぶつける。


「待ってください!ニラダ君がSランクを目指しているのはお師匠さんに……」

「止めろミヨモ!」

「ニラダ君……?」

「この人に話す事はない……ゲンさん、お邪魔しました……」

「やっと帰る気になったか、おお、とっとと帰れ!」


 そのままニラダは無言で工房をあとにし、慌ててミヨモも追いかけ、ジャンも一緒に工房を出るとティアがゲンたちに対して謝罪と挨拶をする。


「ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした、失礼しました」


 ティアも去っていき、工房からニラダ達は姿を消すとゲンの弟子であるカールがゲンに声をかける。


「親方いいんですか?僕にはあの子は……」

「いいんだよ!それからカール、次はちゃんと冒険者かどうかを見極めてから工房に入れろ!」

「は、はい!」


 頑なに冒険者を拒否するゲン、ニラダはこのままあきらめてしまうのか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ