表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/283

希少な魔物

 かつて勇者が魔王を倒したと言われているが、ここ数十年の魔物の活発さは魔王が復活したのではないかという説が冒険者の間で噂になっており、その話をニラダとティアから聞いたジャンは戦慄する。


「もし本当に魔王が新たに誕生していたとしたらおっかねえな、それで他の説にはどんなのがあるんだ?」

「他には魔王の魔力を帯びた魔物が生き残っていてそいつらが魔物を凶暴化させたという説だな」

「勇者は魔王を倒したけどその部下まで全滅させたわけじゃねえんだな」

()()は魔王を倒せば帯びている魔力は切れると信じられたからね」


 当時という言葉になにか引っ掛かりを覚えたのか、ジャンはニラダに再度尋ねる。


()()っていうのが引っ掛かるな、もしかしてその後何か分かったのか?」

「ああ、前の魔王を当時の勇者が征伐してから数年を経て魔王軍に所属していた幹部クラスの魔物の遺体が発見されてね」

「遺体⁉もしかして勇者が倒したのか?」

「それは分からないが、ある国の宮廷魔術師が魔法による検死をした結果恐るべき事実が分かったんだ」


 ニラダから恐るべき事実という単語を聞いたジャンは思わずニラダに続きを早く話すように催促する。


「何だよ!もったいぶってねえで早く話せよ」

「わずかながらに遺体に魔王の魔力が残っていたんだ、そして遺体を魔法で保存し、時が経ていくと……」

「まさか生き返ったのか?」

「いや、生き返る事はなかったが残留していた魔力が魔物の中で高まっていたんだ」

「な、何だって!」


 魔物の遺体に残留していた魔力が時を経るにつれて高まった事に驚きを隠せないジャンであったが、更にニラダがその後の処置についても話す。


「さすがに生き返る恐れもあって、魔物の遺体は滅したが、これは魔王軍の生き残りが時を経て魔力を取り戻す証明になったんだ」

「しかしすげえな魔王ってのは自分が死んだ後に一時的に弱まってもその後魔力が時間が経つと高まるようにしているなんてな」

「この話が元でもしかしたら魔王の魔力を引き継いだ魔物が新たな魔王になっているかもしれないっていう説もあるみたいなの」

「それはそれでおっかねえな……」

「そしてそれが魔王の魔力を帯びた魔物に高額な賞金がかけられている理由でもあるんだ、だから上位の冒険者はこれらの魔物をクエストをこなしつつ討伐する機会をうかがっているんだ」


 それらの魔物は希少な存在であるからこそ高額な賞金がかけられており、討伐すると冒険者にとってもランクアップしやすい魔物なのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ