それぞれで
2日ぶりにギルドに集合したニラダ達『成長しあう者達』であったが、その席でニラダがSランク冒険者を目指したいと話し、理由を聞くとニラダの師匠でありSランク冒険者のガンディーを探す手がかりをつかむためだと聞くが、すぐに結論を出せないティアは一度、ニラダ抜きで話し合いをしたいと懇願する。
「確かにいきなりだったし、俺も答えをすぐに求めているわけじゃなかったからね、いいよ3人でまず話し合って」
「ありがとう、それでどれくらい待てるかしら?」
「そうだな、どういう方針にしてもクエストはこなさなくちゃいけないし、あと2日は待てるよ」
「ありがとう、じゃあこれから2日間3人で話し合っておくわ」
クエストの事もあるので、ニラダより2日間待てると言われたティアが話し合う事を口にするとニラダは言葉をかけてその場をあとにしようとする。
「それじゃあ、俺はまたドットおじさんにアイテムの開発をお願いしてくるよ、それじゃあまた2日後ね」
ニラダがそう言ってその場をあとにすると、ジャンがティアに声をかける。
「お、おいいいのか?っていうか今から話し合うのか?」
「いいえ、今日は解散してまた明日集合しましょう」
「え?どういう事なの?」
「私達も一度1人でゆっくり考えた方がいいと思うの、だから2人もこれからどうしたいかを考えてそのうえで3人で話し合いましょう」
ティアは突然の事であった為、一度それぞれで考えをまとめてから改めて話し合うのが良いと主張をし、その主張を聞いたミヨモとジャンもお互いに声を掛け合う。
「そ、そうだね、でもなんか怖いな」
「怖い、何がだ?」
「その、もしかしたら私達の返答次第じゃあニラダ君が私達をパーティーから外したりするんじゃないかなって思ったりして」
「おいおい、まさかそんな事」
ミヨモは返答次第ではパーティーから外される恐怖を吐露し、ジャンは信じられないと主張するが、その2人にティアも呼びかける。
「気持ちは分かるけど、私達が考えなくちゃいけないのはニラダの事だけじゃなくて、私達自身の事もよ」
「私達自身の事?」
「私も、そしてきっとあなた達も冒険者としてやりたい事があるはず、ニラダの目標に付き合って、それができるかどうかはもう一度しっかりと考えた方がいいと思うわ」
「私が、私達がやりたい事……」
「俺達とニラダの目標、それは重なるかって事か……」
ニラダの目標についていく事で自分達の望みは実現するかどうか、彼らは今その選択に迫られている。