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新たな決意

ドットの話す師匠の過去、そして師匠であるガンディーとの修行の日々を思い出し、涙があふれるニラダに対し、ドットが声をかける。


「そうだな、今はお前の方が俺なんかよりよっぽど兄貴を理解しているから、きっとそうだろうな」

「おじさん、ごめん、いきなり泣いてしまって」

「いいって事よ、お前は冒険者であり、あいつらのリーダーでもあるが俺や兄貴から見たらまだガキだからよ」

「ふふ、それはひどいな、じゃあその考えをひっくり返してやるよ」


 ニラダはちょっといたずらっぽい笑顔を見せるが、すぐに顔を引き締めて新たな決意を語る。


「師匠とは少し違うかもしれないけど、俺もリーダーとして彼らを引っ張り、時にはしっかりと頼る事も大事にするよ」

「そうだな、お前はそれでいいと思うぜ」

「それでさ、思ったんだけど、師匠を探して会おうと思う」

「兄貴にか?そいつは大変だぜ……なんせ兄貴は……」


 ニラダが師匠であるガンディーを探して会うという決意を示し、それに驚いたドットが何かを言おうとするが、制止し、ニラダが口を開く。


「分かっているよ、師匠は今やSランク冒険者、世界中どの冒険者ギルドでも顔パスで行けるほどの冒険者なうえに、もうSランクのクエストしか受けられないからね」

「だがSランククエストなんて早々あるもんじゃねえ、実質的には隠居生活みたいなもんだろう、金は有り余るほど持っているだろうし」

「それでも師匠は何かを求めて世界中を歩き回っているはずだ、だから……」

「お前、そしてあいつらもSランク冒険者を目指すわけか……」

「休みが明けたらみんなにも考えている事を話すよ」


 休みが明けたら自分の考えを話すニラダにドットが尋ねる。


「そいつはいいが、もしあいつらがお前についてこれないと言ったらどうするつもりなんだ?」

「正直分からないな……」

「分からねえ?だと」

「うん、俺にもみんなにもきっとそれぞれ目標があって冒険者をやっているんだと思う、俺についてこれないからと言って、彼らを切る決断が自分にできるかどうかの自信はないな」

「……それだけあいつらを大事な存在だと思っているんだな、だがなニラダ、人生は出会いと別れを繰り返すもんだ。お前が切りたくなくてもあいつらがどうするかは分からねえぞ」


 ドットの話を聞き、薄ら笑いを浮かべながらニラダは返答をする。


「ふふふ、鍛冶仕事に没頭しすぎて奥さんに逃げられたおじさんが言うと説得力があるね」

「何だと!それは今関係ねえだろう!」

「まあ、何にしても彼らの意思を縛る権利は俺にはないよ」

「まあ、それが分かってんなら大丈夫か、あとはお前がいいようにやれ」


ドットの後押しを受けてニラダは仲間に自分の考えを話す決意をする。

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