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廻間麗奈⑫

「廻間、大会に向けて調整は順調みたいだな」


「はい。練習も質高くできていて、コンディションもバッチリです」


「そうかそうか。今度の大会は廻間の3連覇がかかっているからな。先生方も期待してくれているぞ」


「期待に応えられるように頑張ります」


「はははっ。廻間なら大丈夫だろ! もう優勝祝いの横断幕も作っておくからな」


「そんな……気が早いですよ」


 私が色々な大会を優勝したおかげで剣道部は有名になり、先生は各方面から褒められたらしく最近学校で幅を利かせているらしい。


「この前の模試も全部A判定だったんだろう? いやあ宮町と一緒に我が校初の◯◯大学の合格者になってくれよ」


「……はい」


 成績、評価……。この人も私の上辺だけを見ている。



 ────



「廻間先輩、最近練習量ヤバくないですか?」


「まあ高校最後の大会だからね。これくらい追い込まないと……」


「うへーすごいなぁ。大会頑張ってくださいね。部員みーんな応援してますからね!」


「うん。頑張るよ」


「廻間先輩って勉強もできて、部活でもエース、性格も容姿も非の打ち所がない。完璧ですね」


「……そんなことないよ。私だって欠点はいっぱいある」


「えぇー!? ないないないですよ!! 先輩が欠点いっぱいあるなら私なんてありすぎてヤバいですよ」


「人間、欠点がある方が可愛げがあって親しみやすいよ」


「本当ですか? 私可愛げありますか?」


「うん。すごく可愛いよ」


「わーい!」


 完璧であっても何もいいことはない。疲れるだけだ。



 ────



「ごめん遅れてしまった」


「いや俺も今来たところだから大丈夫」


 受験勉強の為、今日は仁と参考書を買いに行く約束をした。


「仁、最近……私最近悩みがあって」


「急にどうしたんだ?」


 本屋に向かう道中、つい仁に吐き出してしまった。

 仁は私と同じ期待される側……。もしかしたら私の気持ちをわかってくれるかもしれない。


「私、みんなの期待がプレッシャーに感じていて……圧し負けてしまいそうなんだ」


「……はぁ。なんだそんなことか」


「えっ」


 仁のため息交じりの返答に驚いてしまう。


「そんなこと当たり前だろう。麗奈はみんなの憧れの存在なんだから。それに応えてこそじゃないのか。僕も期待されるけど、それにすべて応える自信がある」


 自信に満ちた表情で話す仁。とてもキラキラしているように見える。


「僕も麗奈に期待しているよ。プレッシャーなんかに負けないでくれ」


「……でも、もし私が大会に負けたりしたらーー」


「大丈夫さ。麗奈は失敗したりしない。今までだってそうだっただろう」


 今までも……。そう……私はここまで完璧に生きてきた。


「部活も受験も失敗しない。一緒の大学に行こう」


「……そうだね。ありがとう」


「なんだか湿っぽい雰囲気になってしまったね。じゃあ参考書を探しに行こうか」


「うん」


 ……仁もみんなと同じ、私に期待している側。



『期待してる』『期待してるぞ』『期待してるわ』『期待してます』『期待してる』『期待してますよ』『期待してる』『期待してる』『期待してる』『期待してる』『期待してる』『期待してるぞ』『期待してるわ』『期待してます』『期待してる』『期待してますよ』『期待してる』『期待してる』『期待してる』『期待してる』『期待してる』『期待してるぞ』『期待してるわ』『期待してます』『期待してる』『期待してますよ』『期待してる』『期待してる』『期待してる』『期待してる』





『廻間麗奈は完璧なのだから』

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