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6、それから

 夕方、俺は目を覚ました。


「う、う~ん」


 背伸びをする。

 空を見て見ると、既に赤く染まっている。

 父との模擬戦が終わったのは朝食を食べて一時間程の事。

 つまり俺はそれからずっと寝ていたのだ。

 魔力を限界近くまで使ったためだろう。


 いつぶりだろうか? 勇者達と冒険を始めてからはこのようなことはなかった。

 ソロで冒険者をしていたときもだ。

 本当に昔、まだ小さなころに数回あったくらいだろう。

 あの頃でも、今日のように半日も寝てしまう程消費したことはなかった。

 だがすがすがしい気持ちだ。

 父には負けたが可能性が見えた。

 俺は最強になれる。

 前世でも最強の賢者とは呼ばれていたが、今回は魔法だけに限った話ではなく、剣も極められる。

 そう思えるほど可能性を感じた。


「明日からが楽しみだ。父から剣を教われる。前世では護身用、素人に毛が生えた程度しか習得できなかったが、今回は違う。しっかりと学ぶことが出来るんだ」


 ワクワクが止まらない。

 父との戦いの時、体が凄く軽く感じていた。

 強化魔法を使っているのもあったが、それだけではないだろう。

 本の影響もあったに違いない。

 それに、今の魔力でも十分に戦えた。

 だが、実践では死んでいただろう。

 ただ自分の力えお試せた。

 よく理解も出来た。

 これからするべきことも見えてきた。


 俺は今日の父との試合で見えてきた自分の課題を、明日からの自主練習でどのようにして克服していこうかと思っていたのだ。


 そして、


「おーい! サージ、夕食の時間だよー!」


 レイクが俺を呼ぶ。

 もうそんな時間だったのか。

 俺は、急ぎ家の中に入って行く。


「おそいぞ無能」


 無視。

 俺は席に着いて夕食を食べる。

 その時、


「サージ、明日からはどうする?」

「どういう意味ですか父様?」


 いきなりの質問に困惑する。

 これから毎日父から剣を教えてもらえるものだと思っていたため、聞き返してしまった。


「今日の模擬戦でサージはわしが教えるよりも、のびのびとした環境で学ぶ方がよいと考えたのじゃ。今までも家を抜け出して、一人何かをしていたようじゃしの」

「気づいておられたのですか」

「大事な息子の事だからな。だが、そのおかげかお前は強い。その年齢であそこまで戦えるんだ。わしから教えることは何もないだろう」


 父から大事な息子と呼ばれたことに俺は感激した。

 転生前の俺にも両親はいた。

 だが、今の父のように俺を大事だとは思ってくれていなかった。

 そのため嬉しかったのだ。


「いえ、父様からいろいろなことを教わりたいです。今朝の模擬戦では自己流で見様見真似でした。出来ればしっかりとした型を学びたいと思っております」

「そうか。分かった。なら明日からガルドと一緒に教えるとするか」

「ありがとうございます」


 やったー! しっかりと剣を学べる。

 いくら剣の本を手に入れているだろうと言っても、師がいなければ強くはなれない。

 父から教わるのは少し不安があるが、それでも持っている力は申し分ない。

 それに、自主練でしっかりと魔力の訓練もしていれば申し分ない力が手に入るだろう。

 明日からが楽しみだ。


「っち!」


 俺の隣でガイルが舌打ちしたのが聞こえてきた。


 それからの俺の毎日は朝の一時間は父からの剣を教わった。

 それからいつものように家の書庫にある本を読み、この世界の情報を収集した。


 そして昼からは森での魔力量を上げるための自主練。

 ただ今までやって来たことに加えて、肉体を鍛えることも追加した。

 父との模擬戦で見えて来た課題は、俺の肉体そのものである。

 前世では魔法一筋で自分の体を鍛えてこなかった。

 それが故に強化魔法の百パーセントを引き出せずにいた。

 自己防衛用では使っていたが、少し強化するだけ。

 それ以外に、俺オリジナルの強化と付与を合わせた魔法を、勇者を強化するために使っていたぐらいだ。


 だが、今回の人生は違う。

 自分も前線に出て戦える。

 強化魔法を使う意味がある。

 だがそのためには、強化魔法に耐えるための体が必要になってくる。

 そうでないと、いくら強化しようと意味を持たない。

 だからこそ、今の内にしっかりと地盤を作っておくのだ。


 そんな毎日が三年間続いた。

 そして俺は七歳の誕生日を迎えたのである。

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[気になる点] 俺の隣でガイルが舌打ちしたのが聞こえてきた。 ガイル→ガルド 誤字報告です。
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