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最強賢者のRe:スタート~魔法を極めた賢者は、転生して最強の勇者を目指します~  作者: 夢見叶


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51、魔人族

 俺は、自分の考えをレーナ達に伝えた。

 そのことに対してどのように反応していいか分からないでいる二人。


「俺もサージの考えの通りだと思う。正直考えたくもなかったがな」


 俺が四人に話したのは、魔人族はあの五百年前の戦いを終えた後すぐに動き出していたかもしれないということ。

 今ある平和な世界は魔人族達が作り上げた物であり、俺達人間の手で作り上げられたものではないこと。

 今の間違った本の知識は全て魔人族によって広められたのではないかということである。


 俺自身も考えたくなかったことだが、こう考えると全てに納得がいく。


「ですが、魔人王封印戦では勇者様方は魔人族を全て滅ぼした上で、魔人王とギリギリの戦いをされた聞いています。そんな戦いを繰り広げた上でそのような計画を練るでしょうか?」


 レーナの言い分ももっともだが、


「これはたぶん魔人王が考えたことではないと思う」


 あの戦いは嘘偽りのない本気の戦いだった。

 だからこそ魔人王は俺達をギリギリまで追い込んできたし、俺もギリギリまで力を振り絞り戦った。

 だからこそ、勝つことが出来た。


「サージもそう思うか」

「ああ、あいつはそういう男じゃない。確かに俺達と魔人王は敵同士だったが、それでもお互いの守るべき物のために戦った。これで全てが決まると思ってだ。そんなあいつがここまでの作戦を考えていたとは思えない」


 レーナにリーラ、ハクアの三人は何を言っているんだと言った顔で俺を見ている。

 あの日、あの場にいた人間じゃないと理解できないかもしれない。


「では、師匠はこれを企んだのは誰だと言うのですか?」

「魔人族ではあると思うが、かなり巧妙な奴で、魔人王すら自分の手の上で転がしてしまうほどのやつだ。頭の切れる相手だろうな」


 俺は話しながらもいろいろなことを考えている。

 今回の魔人族が動いてきた意図と、これからどのような動きに出てくるのかということを。


「でもどうして今回魔人族が現れたのでしょうか? 正直にあの森には重要なものなどありません。狙う理由など、なにも……」


 ハクアは気づいてしまったようだ。

 俺とグリューがあえて触れてこなかったことに。


「どうされたのですか、学院長?」

「ハクアは気づいたんだな。あの森に魔人族が現れた理由を」

「は……はい。ですが、そうするとこの学院に」

「いるだろうな。魔人族の手の者が」

「私達二人にも分かるように話してもらえませんか?」


 レーナもリーラも話が掴めていない様子。


「正直これは俺の憶測だ。証拠もない話だが、理由としてはこれ以外に考えられない」

「だから何なのですか?」

「今回の魔人族の狙いは俺達学生の演習授業だったってことだ」

「でも、どうして魔人族が演習授業の事を知っているのですか?」

「この学院の教師陣の中に魔人族と関りのある者、もしくは魔人族が人に化けてこの学院にいると言うことだ。出来ればそんなことあってほしくないがな」


 そのことに対して凄く申し訳なさそうな顔をしているハクア。

 何かを考えているグリュー。

 顔を青くして怖がっているレーナとリーラ。


「怯えさせる気はなかったんだがな。だが、これから先魔人族達が何かをしてくる可能性は高い」

「そうだね。それに今回俺達学生メンバーを狙ったのは魔人王を復活させるためだろうしな」

「そうだろう。俺の施した封印を解くにはある程度生贄を捧げるしかないからな。だがそれ以外に、俺達の人間の戦力をそぐ狙いもあったんじゃないか」

「なるほどね。確かにサージに言う通りだな。この学院に国を担う者達がいるからね。そこを狙うのは合理的だ」

「それに、魔人族は一年生を全員殺した後、この王都を落とそうと考えていたんではないでしょうか?」

「それは出来ればと言ったところだろうが、狙いの一つではあっただろうな」


 それからも、俺とグリュー、ハクアの三人で魔人族についての話し合いが続くなか、レーナ達二人が話についてこれず暇そうにしている。

 何とか話を聞いてくれているが内容までは理解出来ていない。


「二人とお大丈夫か?」

「大丈夫ですよ」

「問題ない」


 かなり疲れている様子。

 日中あれほど動き回っているんだし仕方がないよな。

 だがもう少し俺達に付きあってもらわないといけない。

 これからの俺達に関わってくることになるんだしな。

 そのためにも明日からは、


「二人の鍛錬の練度を上げるしかないな」

「そうだな。今のペースでは間に合わないかもしれないな」

「やるしかありませんか」

「!!」


 俺達の話の内容が二人のこれからの鍛錬の事になった瞬間に反応を示す二人。

 だが何を言って来てももう遅い。

 魔人族が現れた時点で、本気でこの二人を鍛えて秘めているはずの力に目覚めてもらうしかないからな。


「私達死にませんよね?」

「ああ、心配するな。そのギリギリのラインはわきまえている。とりあえず目標は一か月半後に行われる学期末個人戦だろうな」

「そうですね。そこでどれほどの結果を残せるか、鍛錬の成果を見るいい機会ですね。」


 俺達三人が笑っているのとは反対に、何かを諦めた顔をしているレーナとリーラであった。

 最後までお読みいただきありがとうございます


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