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最強賢者のRe:スタート~魔法を極めた賢者は、転生して最強の勇者を目指します~  作者: 夢見叶


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49、演習授業 7

 フェンリルなどいつぶりだろうか? 魔人王封印戦よりもかなり前に一、二度戦ったことがあるくらいで、それ程多くない。

 グリューも殆ど経験がないだろう。


「皆は俺から少し距離を取っておいてくれ! 巻き込みかねない」

「了解だ! レーナとリーラは僕に任せてサージは存分に戦ってくれ」

「私もおりますので存分に」


 俺が全力を出せるように二人が気を使ってくれている。

 助かる。

 あの二人がいると心強いな。


「ああ、任せた!」


 それだけ言って俺は、腰に下げている剣を抜いてフェンリルに向かって行く。

 フェンリルの特徴は素早さと氷魔法を放ってくること。

 フェンリルはモンスターの中でも数少ない魔法を使える部類で、かなり手ごわい。

 それに知能もかなり高く、状況判断能力が極めて高い。

 それが故に、上位クラスのモンスターとされている。

 ただ、フェンリルは体が氷で包まれており、その美しさから見とれる者もいるほどだ。


「まず初めは弱点をついて見るか」


 俺は剣の中級スキル属性纏いで炎を纏わせる。

 体全体を氷で覆われているため、当たればかなりのダメージになるはずだと思ったのだが、俺の剣がフェンリルに当たる瞬間、体より物凄い冷気が出てきた。

 それにより、辺りに白い霧のようにな物が出来、視界が奪われる。

 

「だよな。昔も同じことをされたな」


 以前戦った時も同じ手で視界を奪われた。

 だがあの時も、探索魔法で辺りを把握していた。

 今回も同じ、何処にフェンリルがいるのかは手に取るように分かるのだが、周りに変な魔力がいたるところにあって、完璧につかみきない。


「なかなか神経を使わせられる。それにこの魔力、魔人族の物だろうが、少し気持ちが悪くなってくる」


 俺は、周りの魔力に当てられて少しめまいがする中で、何とか戦いに意識を集中させている。


「昔ならこの程度の魔力に当てられることもなかったんだがな~、まあ仕方がない。これからの課題だな」


 俺は、フェンリルに向かって火魔法のファイアーランスを放つ。

 俺の攻撃に対してフェンリルは、冷気を放つことでファイアーランスを凍らしてしまう。

 そのまま消えてしまった。


「昔戦った奴より明らかに魔力量が多い。それに」


 動きが早い。

 フェンリルを捉えるだけで一苦労だ。


「弱点の攻撃だけではダメか」


 俺は、まず火の中級魔法、炎熱を使い周りの空気の温度を上げる。

 それにより、フェンリルの放った冷気で出来た霧は消えて視界が戻ってくる。

 霧が消えると、目の前にフェンリスが迫って来ているが、先ほどのように俊敏な動きはなくなっている。

 辺りの温度が上がったことで能力が下がっているのだ。

 フェンリルはそんなこと気にしないとばかりに俺に噛みつこうとしてくる。

 俺はそれに合わせて、ファイアーボールを大きく開いた口に向かって放つ。

 フェンリルはファイアーボールを受けて、退いた。

 ダメージは確実にある。

 口から煙を出している所に、剣で斬りかかっていく。

 当然のごとく属性纏いで炎を纏わせる。

 それと体の一部に雷を纏わせる魔法、雷装を使い足に雷を纏わせる。

 移動速度はかなり上がり、数メートルある距離を一瞬で詰めてフェンリルとの距離は数センチに、そんな俺を視界にとらえると、右手の爪で攻撃をしてくる。

 フェンリルの攻撃を俺を確実に捉えていたが、当たった瞬間俺は消えていく。


「サージ様!」


 俺が消えてしまったことに驚き思わず大きな声を上げるレーナ。

 それとは逆に、ハクアとグリューは俺が何をしたのか理解しているようだ。


「終わりだよ」


 フェンリルの背後を取った俺は、炎を纏わせた剣で背後から斬りかかり首を落として倒す。

 姿を消したフェンリルは魔力結晶と牙を落とした。


 これで全てが終わりというわけではない。

 魔人族の魔力に当てられて、狂暴化したモンスター達が俺達に襲い掛かってくる。

 そんなモンスター達を全て倒してやっと落ち着いた。


「一体何だったんだ!」


 グリュー辺りを見渡しなが言う。

 確かに、周りに草木が明らかに変であった。


「これは一体どうい事なのですか? 変な魔力といい、今までに感じたことがありません」


 ハクアも違和感は感じているようだ。


「なんでこんな所にあんなモンスター達がいるんですか? ここは低ランクのモンスターしか出てこないはずではなかったのですか?」

「どうなっているの?」


 レーナにリーラも状況が理解できていない様子。


「魔力の急激な変化に当てられたんだろ」

「だが、これじゃあの場所と同じじゃないか」

「どういうことでですか?」

「グリューが言っているのは魔人族がいた場所の事を言っているんだと思う」

「魔人族ですか? それはサージ様方が五百年前に倒されたのでは?」

「そうだね。でも、この周囲に漂っている魔力は確かに魔人族の物だ! ここに来るまでの間は半信半疑だったが、今なら分かる」

「ああそうのようだな。なぜ復活してきたのか分からないが、今後は警戒しておいた方がいいだろうな」


 俺達は、ドロップ品の回収をして、集合場所へと戻った。

 レーナとリーラ、衝撃的な話を聞いたから帰りの道中一言も話さなかった。

 そんな二人の事を気に掛けながら俺は、この時代に転生してきた意味を考えていた。


 俺の転生だけなら別に変なことはない。

 だが、俺だけでなく勇者の生まれ変わりであるレーナに聖女の生まれ変わりであるリーラ、それに守護神の生まれ変わりのグリューの四人が同じ時代に同い年でいる。

 こんな偶然あるはずもない。

 もしそんなことが起こるとしたら、この世界に何かが起こると言う知らせだったのかもしれない。

 それが多分今回の魔人族なのだろう。

 本当は考えたくなかったが、こうなってしまった以上は考えないでいられない。

 このことについてレーナ達にも伝えないといけないなと俺は考えていた。

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