37、絡んできた者
俺達が三人仲良く話している所に現れたのは、入学試験の日の朝に絡んできたドレイク=アルフレッドだった。
入学試験日同様に後ろに取り巻きを二人連れている。
「これは、人を癒せないの回復魔法師のリーラ様ではありませんか、その隣にはアルベノク家の落ちこぼれのレーナ様と、無能君ではありませんか。まさか君たち二人もこの学院の試験に合格しているとは驚きですね。どんな卑怯な手を使ったのですかな」
「私達は何も卑怯な手なんて使ってないです! 正々堂々試験官をしてくだっさたレリック様と戦って認めてもらったのです。それに、サージ様はレリック様に勝ちました。無能などではありません」
「レリックとはどれほど弱い冒険者なのですかな。ろくに戦えもしない出来損ないと、白本の無能に負けるよわ」
「そこらへんにしときなよ。ドレイク君だって知ってるだろう」
俺が彼の名前を呼んだ瞬間、
「様を付けろ様を! お前みたいなクズで無能が俺のことを気安く呼ぶんじゃないよ!」
「申し訳ございませんドレイク様、ですがあなたも名前くらいは知っているのではありませんか、この国で今一番Sランクの冒険者に近いと言われる冒険者の名を」
「それくらい当然知ってるさ」
「その者が僕と、レーナさんの試験官をしていたと言っているのです」
「レリックと言う冒険者もそこが知れたな。たかがこんな雑魚に負けるとはその程度の者だということだったのだろう。俺がもしその場にいたら貴様より、華麗に倒していたさ」
俺を見下すように言ってくる。
だが、面白いことを言うな。
「では、こんな提案はどうでしょうか」
俺はドレイクに対してある提案をしてみることにした。
今回の授業は生徒同士での組み手をする予定だったために闘技場に来ている。
つまり模擬戦をしても問題ない場所と言うことになる。
「言ってみろ」
「僕とドレイク様で一対一の模擬戦をするのです。丁度ここは闘技場です。打ってつけではありませんか」
「俺がお前みたいな無能とだと、そんなの時間の無駄だ!」
「そうですか、ドレイク様は僕みたいな白本の無能に負けるのが怖いということなのですね」
「なに!」
「さっき僕がレリックに勝った話を聞いて本当は怖気づいてしまったのですね」
「俺がお前に怖気づくだ! 調子に乗るのもいい加減にしろ!」
よし!
乗って来た。
こんな見え見えの挑発に乗ってくるのだ、なんて操りやすいことか。
「いいだろう。やってやるよ」
「そういってくれると信じてましたよ。先生!」
俺はDクラスの担任教師であるアリシアを呼ぶ。
「何ですか! 少し騒がしかったようですが!?」
「ここでドレイク様と僕の模擬戦をさせていただけないでしょうか?」
「何を言っているのですか! 今は本を使えない時の自己防衛を学ぶ授業中なのですよ。それに、あなたがドレイク君に勝つのは、……」
その先を言えないアリシア。
まあ言いたいことは分かっているけど、
「先生は僕がドレイク君に負けると言いたいのですよね」
「それは~」
「大丈夫ですよ。一部の人を除いて殆どの人が俺とドレイク君が戦うと言ったら僕の方が負けると思うでしょうから」
「では」
「ですが、それはただの思い込みですよ」
「何を言っているのですか! 白本の君がこの学院に入れたこと自体奇跡なのですよ。そんな奇跡が二度も起こるはずがないでしょ」
「いいえ先生、僕がこの学院に入れたのは奇跡ではなく必然です。ですよね学院長」
俺は、闘技場の入り口でこっそりと俺達の方を見ているハクアに気づいていてあえて気づいていない振りをしていた。
どうせ、レーナとリーラの事が気になって居ても立っても居られなくなったんだろう。
こっそりと盗み見ようとしていたんだからこれくらい利用しても文句ないだろう。
「そうだな。サージ君には確かな実力がある。かのアルフレッド家のドレイク君とも申し分ない試合が出来るだろう。ただ、今は大切な授業中だ。だから、授業の最後の十分間を使って皆に戦いのお手本を見せると言うのはどうかな?」
「そうですね。それでしたら別にいいですね」
アリシアはCクラスの担任に確認を取り了承を得て戻って来た。
「では学院長立ち合いの元で、サージ君とドレイク君との模擬戦を授業のラストに行うことにします。それはまでは各自授業に臨むように」
『はい!』
俺とドレイクは声を合わせて返事をする。
一旦は解散となったが、
「精々恥をかかないようにすることだな」
すれ違いざま耳元でそんなことを囁いてきた。
俺はその言葉を聞いた瞬間、口元がにやけてしまった。
「お前がな」
言葉を返してやると、ドレイクは俺の方へ振り返り睨んできた。
かなり興奮しているようだ。
そんなドレイクを見ながらハクアは、
「師匠に対してあの態度許しません。私がボコボコにしたやりましょうか」
「やめておけ。お前もいい大人なんだから、子ども同士のいざこざに手を出すなよ」
「分かりましたが、サージ様」
「なんだよ」
「決して本気を出さないでくださいね。いくらんでも殺すのはまずいですから」
「そうですね。ドレイク様が人を見下す最低な人間でも殺すのは可哀想ですものね」
「私もそう思う」
「分かってるよ。俺だって大人気ないことはしないさ。ただ少し調子に乗っているようだから、ここらで鼻っ柱を折っておこうと思っただけだよ」
三人からの心配の言葉を流しつつ、授業を受けていた。
ただ、この授業の内容は後から俺が教えればいいので、幻影魔法を使って真面目に授業を受けてる風を装って、いつものようにリーラの回復魔法の鍛錬を行っていたのだった。
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