偏差値2 555です
高学歴の人と学歴コンプのある人はブクマと高評価お願いします。
「え、東………え…?」
シスターは言われた意味が理解できなかったのか、ポカンとしている。
「すみません、もう一度伺ってもよろしいでしょうか」
「はい。一応東王大学です」
「一応東王…という大学があるのですか?すみません私把握し」
「いえ、東王大学です」
「……え、そんな、え。あ、冗談ですね?」
なかなか信じてもらえない。
まあ急に神話の存在が出てきたようなもんだもんな。
俺だってたまたま会った女が「私がアーサー王です」なんて言ってきたら冗談だと思うわ。
「いえ、本当なのですが」
「またまた、ご冗談を。そこまでおっしゃるならステータスを見ちゃいますよ?」
ステータス。異世界物のテンプレだ。
「構いませんよ、どうやるのか知りませんけど」
「あ、そうですよね。えっと、強く念じながら"ステータスオープン"と言っていただければ出ます」
「なるほど。簡単ですね」
わかりやすくていい。
ステータス関連ではそういう作品を見たことがないからまだ安心はできないが、
ここが剣と魔法のファンタジー世界なら、こっぱずかしい詠唱をしなければならない可能性もあるな。
いや、厨二病の精神は持っているから、実はそういうものはむしろ好きなんだが、
流石に人前で詠唱するのは恥ずかしい。
「ステータスオープン」
呟くと、目の前にウインドウが表示された。
レベルやHP、スキルなどといった項目がずらっと並んでいる。
先ほどは結局抽象的な話しか聞けなかったので、具体的な数値の程度の感覚がつかめない。
「えっと、たとえばレベルって平均的にはどのくらいで、過去最高はどれくらいなんですか?」
「平均は20前後、過去最高は京王大学法学部の300だと言われています」
「へー」
それを聞いた俺は、顔がにやけるのをどうすることもできなかった。
なにせ、俺のレベルは―――――
「555」
「え?」
「俺のレベル。555です」
「ま、まだそんな冗談を続けるんですか。見ちゃえばわかるんですよ…」
そう言いながら、シスターはとことこと俺の隣に歩いて来て、ウインドウをのぞき込む。
「えーっと、レベルは…、あ、ほら、55…5? え?」
「555です」
「そんな、ええっと、大学名は……東…王…大学………!?」
「さっきから言ってるじゃないですか」
シスターは信じられないという顔のまま数秒静止していた。
情報の処理が追い付いていないのだろう。
やがて、勢いよく顔を上げると、俺の顔を見て、またウインドウを見て、俺の顔を見た。
そして、唐突に力が抜けたのか、フラッとこちらに倒れこんだ。
「おおっと、危ない」
びっくりした。気絶したのか?
顔を確認すると、明らかに起きている顔ではなかった。そんなに衝撃だったのか。
「……あ」
右脚に冷たい感触。
びっくりしすぎて気絶して失禁したようだった。どうすんだよこれ。
教会はどこだよ。