2
「ギョッギョッギョッ!!」
「出たわね!怪人ワカシリン!!」
おぉ、怪人だ。すごい。
戦闘ヒロインを目視、追跡。その終点では魚の怪人と戦闘ヒロインが対峙していた。
「アナタの目的はなに?」
怪人に悪の目的を聞くなんて。様式美だろうか。
「ギョッギョッ!オレは人類を恐怖の底におとし! 出世してイナダになるのだ!」
やはり、様式美だ。律儀に答えるのが怪人か。それにしてもそうか。この怪人は出世したいのか。ワカシの次はイナダ。イナダの次はワラサそして、ブリである。
「そんな!?そんな事は私がさせないわ!」
させてやろうよ……。あ、でもあれか恐怖の方を指しているのかな。
空き地の一角、程よく土管が積まれていたのでそこから様子をみる。
戦闘ヒロイン。魔法少女てのがまぁ、スタンダードなのだろう。
「マジカルスパーク!」
ほら、マジカルとか言っちゃってるし。
「ギョギョー!?」
迸る電流を受けたワカシリンが爆発の後、吹き飛ぶ。
「討伐完了!悪はこのエレメントエンジェルが許さない!」
何かポーズを決めている。
しかし、何故魔法少女を代表とする戦闘ヒロインは露出が激しいのだろうか。胸元が開いたフリフリのアレでフリフリのミニスカート。
あの露出はどちらかというと悪なのではないかなぁ。でもまぁ、魔法少女が必ずしも正義てわけでもないもんなぁ。
なんて、どうでもいいことを考える。
兎に角、また悪が負けた。
魔法少女を後にしてワカシリンの吹き飛んだ先へを目指す。