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やばい病院 (1)

 父が、

K病院に、

入院していた時だった。


 その時、

私は、

車を運転していなかったので、

妻が、

母の送り迎えを、

してくれていた。

父の御見舞いのために。


 毎日、

昼休みに、

母を、

家まで迎えに行き、

病院へ、

連れて行く。


 それだけで、

時間が、

潰れてしまい、

食事は、

採れない。


 仕事が終わった後、

妻は、

病院へ母を迎えに行き、

家まで送って行く。


 この間、

我々夫婦の食事は、

オール外食だった。

ちなみに、

当然だと思うが、

全て、

私のおごりである。


 この状況で、

妻に、

家事を期待するほど、

私は、

鬼畜では無い。


 でも、

「お父さんが退院したら、

離婚して」

と、

言われてしまった。

結婚しているメリットが無い

と。


 正直言って、

女の人は、

旦那の両親が、

ある程度の年になったら、

離婚の準備を、

しておいたほうが、

良いと思う。


 血の繋がらない

親の面倒を見る

メリットは、

何一つ無い。


 もし、

有るとすれば、

『人生の最後について、

知る事が出来る』

これだけだろう。


 話がズレてしまったが。


 参っていたのは、

妻だけでは、

なかった。


 妻の話に依ると、

母が、

お見舞いの最中に、

二回、倒れたらしい。


 結局、

母は、

N病院に、

入院した。


 その事を、

入院中の父に伝えると。


 「N?!

あんな所に入院したら、

お母さんが、

死んでしまう!」

と、

大騒ぎをした。


 その時、

私は、

父が何故?

N病院に、

過剰反応するのか?

理解出来なかった。


 そのN病院では、

母が、

手術する事になった。


 でも、

母は、

『血液をサラサラにする薬』を、

飲んでいたので。


 実は、

この『血液をサラサラにする薬』は、

地味にイタい。

これは、

是非、覚えておいて欲しい。


 手術する前に、

この薬を止め、

点滴等で代用するらしいのだが、

その期間が、

一週間くらいある。


 どこの病院でも、

手術する曜日は、

決まっていて、

だいたい、

水曜日の午後だ。


 つまり、

この薬を飲んでいるだけで、

たったそれだけで、

入院は、

一週間、確実に、延びる。


 でも、

この御蔭で、

母は、

助かった。


 「入院している間に、

病気が治った」

と、

医者に説明され、

手術は、

中止となり、

退院することになった。


 どうも、

誤診だったようだ。

たぶん、

過労だったのだと思う。


 その御蔭で、

父と母は、

同じ日に、

退院してくれた。


 そう。


 何でも、

一日で済ませられれば、

ラッキーなのだ。


 退院後、

父に呼ばれ、

実家へ行ってみると、

車のキーを、

渡された。


 私に、

運転しろ

と。


 これを、

一番喜んだのは、

妻だった。

この御蔭で、

離婚の話は、

うやむやとなり、

私は、

助かった。


 正確に言えば。


 私自身は、

透析患者で、

目も、

失明寸前まで、

行った事が有る。


 車を運転するのは、

危険窮まりない。


 でも、

それくらいの覚悟を、

妻に見せないと、

確実に、

離婚になってしまうから。


 ありがたい事に、

逆転の一打に、

なってくれたようだ。


 男は、

両親が、

ある程度の年齢になったら、

離婚を前提に、

親の介護を考えていたほうが、

良いと思う。


 つまり、

妻の援護ゼロで乗り切れないと、

全てが、

破綻する。


 子育ては、

協力してくれる人間が、

居る。

たぶん、

親が、

強力に援護してくれるだろう。


 でも、

その親自身が無力になった時、

親の介護を助けてくれる人間は、

一人もいない。


 子供は、

妻の子供でもあるが、

親は、

妻の親では無いのだから。


 じゃあ、

最後に頼れるものは、

何なの?


 という話になると。


 親の年金だけである。




 


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