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第18話 舞姫
昔、仕事で、まだ誰も足を踏み入れたことのない雪の場所に入ってことがあった
積もった雪のためにか
木が別のモノに見えた
向こう側に見える
視界に入る白い場所
それは、雄大さとも違う
私が初めてソコに入っていいのだろうか?
そんな厳かな気持ちがあった
僅かに舞う粉の雪
チラチラか ハラハラとか・・・記憶にない
雪を受け止めようとしたけれど
私の髪や体に舞い
温かさで消えていく
私の仕事への「情熱」があったのだろう
静寂の中で、踊る私
私を舞姫のようにしてくれた雪の世界
舞姫の間は寒さは感じなかった
私が「人」に戻った後
感覚のない裸足の足と手は
ジンジンしてた
車の中で震える私に出された
ココアが温かかった
だけど、震えてるのは「寒いから」だけじゃないことを
あの時の雪は、知っていてくれる




