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帰路
「本当に何でもやれるんだな」
「まあ、いろいろやったことがあるだけ
やったことないのは流石に、すぐには出来ないと思うぞ」
「そんなこと言って、何でもこなしそうだよ」
「今日は本当助かった」
「こちらこそ、あんなに美味しいグラタン食べさせて貰ったし
それに、なにあのケーキのかけらみたいなもの、見た目は悪いけど
あれだけでも、バイトした価値はあったよ」
「パティシエを、本場から引き抜いてきたらしいぞ
甘いの好きだから、ここは天国だ
前働いたレストランは、購入するものは割引なしで、
結構お金かかって、何の為のバイトかわからくなって辞めたんだ
ここは本当に最高だぞ!
ここはいろいろ充実してて、なかなか他には無いよ
さっき店長も言ってたけど、一緒にやらないか?」
「そこは、すまん
今のところは、辞めたくないし
これ以上は、増やせないんだわ」
「そっかぁ、残念」
「また、機会があったらな」
家の明かりが灯る静かな住宅街
ゆっくりと帰路につく二人
足元を月明かりが照らす