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自殺するなと言わないで

作者: 南 恵

自殺について自分の意見と違うことがひとつでもあったら嫌な方は読まないことを進めます。


イジメをされて、自殺するなって言われた時に、なんで? と思うのは普通だと思う。


なんで自分の命なのに命令されるの?

これだけは自分だけのものなのに、それすら許されないの? 自分には選択肢一つ許されないの? と。


少なくともこれは小中高大社とイジメセクハラパワハラモラハラを受けてきた時に常々思ったことだし、今も押し付けるなとも思う。

もちろん自殺しろと言っているわけでは無い。

だが、生きるのが地獄の中で、いつでも自殺はできるのだから、どうせなら彼等に復讐してやると踏ん張って大人になった自分からしてみれば、その言葉は不快感しかない。

その免罪符があるからその場で立って居られる人間もいるのだ。だというのに、逃げ道を奪われて引っ切り無しに周りに責め立てられたらどうすればいいのか。精神的に死んで生きた屍にでもなれというのか。


楽しい? 知らない、何それ?

泣く? なんで? だって周りのストレス解消道具の為に存在してるんでしょ?

笑う? え、道具が笑う必要ないよね?

怒る? そんなことしたら道具として駄目だよね?


それが当たり前と言わんばかりに告げる小学生を想像してみてほしい。ちなみに自分がそうだった。

教師もイジメに参加する酷い学校だったため、当然逃げ場などなかった。それで一回目の自殺未遂だ。窓から発作的に飛び降りようとした所をイジメていた奴ら全員で無理矢理止められて殴られた。

その時言われた「俺たちに迷惑をかけるな、道具が居なくなったらストレス解消できないだろうが」と言う言葉は多分一生忘れないだろう。

そして教師も私を責めたてた。まぁ、今と違い、当時はイジメられた側が悪いのが当たり前で、警察に逃げ込んでも助けてくれなかった時代なのだからそこは仕方ないのだが。


そして自殺を封じられてしまい、どうすればいいかわからなくなった。辛い、苦しい、でも唯一の味方の親は心配するからこれ以上言えないし、周りは駄目というから。

だから自身がそういう存在だから仕方ないのだと思い込んだのだ。

ちなみに今でこそ笑えるが、大学一年後半になるまで、意識して笑わないと笑みすら作れなかった弊害も残ったことをここに記しておく。おかげで当時のバイト先で笑みが嘘臭いと何度か言われていた。笑い方がわからないなりにそこまで戻せたのだから無茶言うなと内心叫んだ覚えがある。表情筋が筋肉痛になるなど知りたくなかった。


話を元に戻そう。

まぁ、そうやって人間がそう思い込んだ所で、限界はくるし、親も助ける為に抱きしめたり話しかけたり必死にしてくれる温かさに自分はやはり人間なのだという事実に何故と何度も自問自答した。

そして中学になり、ふと自殺をするなと口にした教師が居ないことで、後ろにまた逃げ道があることに気づいた時、自分はなんだもう止められても自殺できるじゃないかと客観的に感じたのを覚えている。

なら、いつでも死ねるのだし、彼等も道連れにしようと。社会的に彼等を殺してやろうと。

正直全うな思考ではないが、喜怒哀楽がほぼ死んでた中で浮かんだ初めての怒りだった。それ迄はおかしいーーこれは苦しい、辛いという感情なのだが、当時はそれを感じる訳が無いと思っていたのだーーしか感じなかった自分からみれば、初めての一歩だった。

そうして紆余曲折あり、まぁ途中危うく二回目の自殺未遂もあったが、今は子持ちの親にまでなっている。


だから思う。

最初から自殺するなというのではなく、ならその前にしたいことわやり返したいこと、思うことはないのかを聞いて欲しい。

いつでも死のうと思えば死ねるのだ。そこを抑えられた所で、抑制されればされるほど自殺への逃げ道を求めてしまう。

死を求めるのは当然の思考だ。だが同時に彼等はずっと抑え込んでいるものがある、それを吐き出させて欲しい。


そうでなければ、貴方達が彼等を殺してしまうかもしれないのだから。




最後に。

これを読んで違うと思うのならばそれはそれでいいと思う。自分はあくまで過去において被害者側であっただけで、加害者でも傍観者でもヒーローヒロインでも教師でもカウンセラーでもない。ましてや今はイジメは多様化している、これが正解はないと思う。


でも、言うならその言葉の重みをみて欲しい。

特に今生きられない人がいるのに、命を大事にしないなんてという人が当時の自分には一番の負荷だった。

精神的に死んでも張りぼての肉体が存在すれば、満足というのなら人形にでも言ってくれ。

過去の自分はイジメで心が死にかけて周りを見ることもできなくなってる人間に、一方的な押し付けという枷を押し付ける行為は、首吊り縄を首にかける死刑台を準備してるようにしか思えなかったのだから。


自殺したい方がもしこれを読んだのなら、すみません。

あくまでこれは自殺しようとする方を止める周りに対しての内容でしたので。

もし自殺するというなら、その前にやりたい事、したかったことを一度まとめてみてください。

なんなら辛いこと一覧でもいいです。

客観的に自分を捉えると、以外と足が地に着きます。そして自殺はいつでもできるし、それの中でやってみたいことをもし相談できる人がいるならその人と、居ないなら自分だけでもいいので幾つか消化してみてください。

結構できたりするんですよ。まぁ、私の場合は復讐だったのでかなり時間かかりましたが・・・

死ぬのはいつでもできます、ならその前にちょっとばかり自分にご褒美あげてもいいじゃないですか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 死ぬなの一言は、結局、時と場合によると思う。 自殺とは、世の中に対する最大の復讐であり、そして、甘えである。そんな感じの本を読みました。きっと、そうなのだと、私個人は思っています。 甘えてる…
[良い点] ただ闇雲に「死ぬな」と言われるよりも、理解できます。 [一言] 身内が亡くなり、後に残される辛さが解るようになりました。 自分は死んで楽になっても、大切にしてくれた人達の事を考えれば、生き…
[良い点] いじめを受けて、本当に苦しんできた(また今も苦しみ続けている)人としての気持ちが、十分に伝わってくる点。 なにより、同じ立場に立たされている人の共感を得られると思います。 [一言] こちら…
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